9月10日(火) 午前中、局で「報道特集」の定例会議。今週は11日に内閣改造があって、これにどう切り込むか、ということがある。テレ朝の「モーニングショー」で、これでもかと言うほど、例の「玉ねぎ男」こと(こんな言い方も失礼なのだが)、チョ・グク法務大臣のことを詳報していた。うんざりするが、ただひとつだけ勉強になったのは、韓国の文大統領系と言われるハンギョレ新聞で、編集局幹部と現場記者の間で対立が起きているとのこと。スタジオ・ゲストの辺真一さんは現場記者に肩入れしていたが、いろいろと複雑な背景があるようにも思える。世代間対立のようなダイナミズム。
午後、韓国情勢の勉強会。夕刻から浅井基文氏の講演会に参加。徴用工問題が1965年の請求権協定ですべて解決済みという日本政府の主張が、国際法上いかに根拠を欠くものであるか。1978年に日本が署名した「国際人権規約B」について、当時、外務省にいて当事者の一人だった浅井氏の政府主張への論駁は非常に説得力があり、目から鱗が落ちる思い。なぜ浅井氏のような明晰な主張が紹介されないのだろうか。
あしたの組閣。今日一日、NHKは「〇〇氏、入閣内定」だの「〇〇氏、〇〇相に内定」だの、おそらく最多記録ではないかと思われるほど、ニュース速報を出しまくっていた。誰それが入閣することがスーパー速報を出すほどのそんなに大ニュースなのか。これこそがストレートニュースの現場における政治部支配の現実である。有無を言わせずにスーパーでニュース速報を入れろ、という権力関係が働くのである。そのほとんどは視聴者を無視した担当記者たちの狭い世界でのマスターベーションである。
夕方以降に小泉進次郎氏の入閣内定(環境相)が報じられて取材態勢を組み替え。僕は萩生田光一文科大臣に取材に行くことになった。それにしても加計学園疑惑の渦中にいた萩生田氏を文科大臣に据えるとは、露骨を通り過ぎて、今や焦土と化した文科省に凱旋させるような感じか。それにしても改造内閣の顔ぶれがひどすぎないか。側近重用と「滞貨」一掃。ウルトラ右派の顔ぶれ。目くらましの進次郎氏。

原田義昭前環境相と記念撮影に応じる小泉進次郎環境相(左)=2019年9月12日