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日韓関係を修復するための4つの提言

韓国はどこへ行くのか?日本は何をすべきか?

登 誠一郎 元内閣外政審議室長

3.対韓国輸出管理強化の影響を深刻に受けとめるべし

 文大統領によるこのようなシナリオの流れに棹差す結果を生じさせたのが、まさに7月初めの日本政府による対韓国輸出管理強化措置である。

 これは本来は、日韓の二国間問題とは全く切り離して、韓国の輸出管理制度を国際基準に則したものとさせるために、2~3年前に地味な形で行われるべきものであった。それを①いわゆる徴用工問題で韓国の信頼が薄れたタイミングで、②「ホワイト国」からの格下げという韓国のメンツを無視した形で、③事前の協議なしで抜き打ち的に新聞にリークするという方法で行ったために、韓国側の過剰な反応を惹起させてしまった。

 さらにこの措置の公表に合わせて行われた経済産業大臣による背景説明のブログなどで、徴用工問題の大法院判決に基づく信頼の欠如を明記したことも、韓国によって「報復措置」と受けとられた原因となったことは明らかである。

 7月初めの輸出管理強化措置発表から約3か月経過した現在、日韓間の相互不信の増大、観光客や市民交流の激減、日本品不買運動の蔓延などは看過できないレベルに達している。日本政府関係者の中には、もともと韓国との関係が深化しすぎたことが問題なので、それが多少後退した現状には何の痛痒も感じないとうそぶく向きもある。

 これは二国間関係しか見ていない皮相な見方であり、上記2.に述べた東アジアの安全保障構図の変化とそれによる日本への悪影響を見落としていると言わざるを得ない。

 韓国をこれ以上北朝鮮・中国寄りとさせないためには、日本側も一定の歩み寄りを示して、韓国内の良識ある世論を喚起する必要がある。

拡大Harvepino/Shutterstock.com

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筆者

登 誠一郎

登 誠一郎(のぼる・せいいちろう) 元内閣外政審議室長

兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、外務省入省(1965)、駐米公使(1990)、ロサンジェルス総領事(1994)、外務省中近東アフリカ局長(1996)、内閣外政審議室長(1998)、ジュネーブ軍縮大使(2000)、OECD大使(2002)を歴任後、2005年に退官。以後、インバウンド分野にて活動。日本政府観光局理事を経て、現在、日本コングレス・コンベンション・ビューロー副会長、安保政策研究会理事。外交問題および観光分野に関して、朝日新聞「私の視点」、毎日新聞「発言」その他複数のメディアに掲載された論評多数。

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