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「連立交渉がまとまらない」スペインの混迷

花田吉隆 元防衛大学校教授

難民危機によるポピュリズムの高まり

 第一は、2015年の難民危機によるポピュリズムの高まりだ。欧州各国では、ポピュリスト政党が相次いで急伸、一挙に政治が不安定化する。しかし、スペインは長年のフランコ独裁という苦い経験がある。スペインは別だ、と大方が思う中、2019年、とうとうスペインでも極右政党が成立する。ボックスはいきなり24議席を獲得した。

カタルーニャ独立問題が再燃

 第二は、カタルーニャ独立運動を契機として起こった。2017年、長くくすぶっていたカタルーニャ独立問題が再燃、10月の州民投票で独立が可決されたのを受け、カタルーニャ州議会による独立宣言に至る。運動はその後、独立派指導者の司法手続き実施等により下火になっていくが、この問題はスペイン政治に少なからぬ影響を及ぼすことになった。

 カタルーニャ住民にとり長期にわたる中央政府の圧政に抵抗し立ち上がることはかねてからの念願だ。元々、マドリッドを中心とするスペイン中央地域とカタルーニャやバスクがある北部地域は同一に論じられない。カタルーニャの人々から見ればマドリッド等、中央地域は片田舎に過ぎず、歴史的に文化、経済両面において北部が優位に立つ。特に経済は、産業革命を主導したのが北部だったとの歴史的事実に加え、国境を越えたフランス各地との結びつきが強いこともあり、農業中心の中央地域をはるかに凌ぐ豊かさだ。カタルーニャの人々は、スペインとの結びつきよりEUとの一体感のほうが濃厚ですらある。しかし中央政府から見れば、

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筆者

花田吉隆

花田吉隆(はなだ・よしたか) 元防衛大学校教授

在東ティモール特命全権大使、防衛大学校教授等を経て、早稲田大学非常勤講師。著書に「東ティモールの成功と国造りの課題」等。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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