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すっきりとしない「不自由展・その後」の再開

異例ずくめの入場制限、補助金不交付も後味悪く、残った禍根

市川速水 朝日新聞編集委員

4点の「表現の自由への攻撃」

 こうした一時離脱した作家たちが1カ月前に出したメッセージも会場に飾られた。その中で、展示に対する「表現の自由への攻撃」を明快に4点挙げた。

①河村たかし名古屋市長による「その後」展中止を求める不適切な発言
②菅義偉官房長官による文化庁の補助金見直しを示唆した威嚇ともとれるコメント
③展覧会スタッフが受けた数多くの匿名嫌がらせ電話
④「その後」展を閉鎖しないとテロ行為をすると脅迫するファックス

 出品者と実行委員会が「和解」して再開にこぎつけたとはいえ、これら4点のほとんどは、再開前から根本的に何も改善されていない。

 展示再開を前に、大村秀章・愛知県知事は「中断していたものが再開された例はない」と英断だったことを強調した。実際、その通りだろう。津田大介・芸術監督をはじめ、「どうしたら安全に再開できるか、手順などを議論して前日はほぼ徹夜だった」(実行委員会関係者)と苦労話も聞いた。

 しかし、この中断・再開の一件を総括しようとしても、すっきりとはいかない。 ・・・ログインして読む
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筆者

市川速水

市川速水(いちかわ・はやみ) 朝日新聞編集委員

1960年生まれ。一橋大学法学部卒。東京社会部、香港返還(1997年)時の香港特派員。ソウル支局長時代は北朝鮮の核疑惑をめぐる6者協議を取材。中国総局長(北京)時代には習近平国家主席(当時副主席)と会見。2016年9月から現職。著書に「皇室報道」、対談集「朝日vs.産経 ソウル発」(いずれも朝日新聞社)など。

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