[157]「拝謁記」勉強会、千葉県鋸南町、千葉県庁……
2019年10月09日
9月24日(火) 「報道特集」の定例会議をパスして、けっこう準備期間を要した某プロジェクトで朝から動き回る。いろいろな方々の協力と尽力で、何とか首尾よく終わったのではないか。
その後、東京に戻って、ワシントンDC在住のIさんと打ち合わせ。トランプのアメリカはどこへ行くのか。TBSの先輩のひとりKさんが亡くなられたとのこと。最後の「JNNニュースコープ」編集長。
夜Mさんが訪ねてくる。フランス旅行を楽しんできたとのこと。コスモポリタン。
9月25日(水) 体がなまっていて心身の調子が良くない。プールへ行き泳ぐがいつもの半分。
午後3時から新宿の紀伊国屋ホールで松元ヒロ『ひとり立ち』。Nさん同道。会場で筑紫房子さん、筑紫ゆうなさん、Sとばったり。松元ヒロさんの定番アンコールがニュース録音不可だったとのことで、急遽パントマイムに切り替わる。それもよかった。
その後、明治大学での昭和天皇「拝謁記」勉強会へ。一般に思われている昭和天皇のイメージとは実像はかなり違うという。側近たちが必死に止めないと何を言うかわからない状況だった。憲法が変わっているのに、天皇の意識が全く変わっていなかったのだと。田島道治宮内庁長官は芦田均首相によって、好き勝手を言わせないようにいわば送り込まれたのだと。だから従来の天皇側近とはかなり違う。田島はキリスト教徒で、天皇の側近では初めてのことだ。沖縄の軍事占領をアメリカに望むという「天皇メッセージ」問題にみられるような「二重外交」を防ぐため等々、僕自身も頭の整理ができた。NHKは『拝謁記』の全部を公開しているわけではない。だから今後、一次史料の読み方によっては、いろいろな解釈が生まれてくるかもしれない。
あした、台風禍のその後の検証の取材で千葉県に向かうことにする。「週刊文春」が、台風上陸直前の9月8日夜、森田健作千葉県知事が東京都内で国際会議とレセプションパーティーに出席していたと報じて、知事の初動の危機意識の欠如ぶりを叩く記事を出すらしいとの情報。夜、ゲラが手に入ったので読んでみたが、災害時の知事としての資質を疑問視する内容だった。果たしてどんな反応が出るのだろうか。
9月26日(木) 千葉県庁に午前中到着。あしたの県議会の段取りや、その際の知事の導線などを確認する。どうやら森田知事は、週刊文春記事には何も対応するつもりもないし、静観するつもりのようだ。千葉県庁の正面玄関ロビーには、災害対応に走り回る知事らの現場写真が展示されていた。県庁最上階の展望食堂で一人でコーヒーを飲みながらもろもろの情報を整理する。
その後、台風禍取材で現場に入った鋸南(きょなん)町に移動。電気は戻ってきたものの、ブルーシートで屋根を覆われた家が多い。自衛隊員が入ってもろもろの活動をしていた。町役場には罹災証明をもらいに住民がパラパラ訪れていた。2週間前に訪れた際に途方に暮れていた被災住民たちを訪ね歩き、その後を見て回った。
一人暮らしの90歳のご老人は、あれから自宅が使えないので息子さん夫婦の家に移ったが、なかなか環境の変化に慣れず寝込んでいるという。その息子さん夫婦に偶然お会いできた。前回の取材で、「何が内閣改造だよ、ふざけんじゃないよ!」と政府の遅い対応ぶりに憤慨していたご婦人にも再会できた。ネットで中傷され
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