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フレコンバッグが流れた仮置き場へ

[160]福島県田村市、小泉進次郎環境相記者会見、旭川・知里幸恵資料館……

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

10月15日(火) 白石蔵王駅近くのビジネスホテル。精神が高揚しているためか、なかなか寝付けなかった。そして朝早く目が覚めた。丸森病院やそのすぐそばの介護施設などに行って追加取材。

 その後、福島県田村市の汚染土などが入ったフレコンバッグの仮置き場へと移動する。朝日新聞の三浦英之記者の独自取材で、濁流によってバッグが流出したことがわかっているが、環境省や市は「環境に影響なし」と早々と見解を出している。15時からのペンクラブ理事会は欠席せざるを得ず連絡する。

除染廃棄物が入ったフレコンバッグが流出した現場=13日午後4時半ごろ、福島県田村市都路町除染廃棄物が入ったフレコンバッグが流出した現場=福島県田村市都路町、撮影・朝日新聞社

 目的地のフレコンバッグの仮置き場に向かう途中で、もうひとつの別の仮置き場があった。みると、作業員2人が何やら動き回っていた。フレコンバッグの裏山が崩れていた。何袋かが半分くらい砂に埋まっていた。作業員に聞くと「線量がちょっと上がっている」とのこと。カメラ撮影は拒否されたが、話が聞けてよかった。

 田村市の2700袋のフレコンバッグが仮置きされていた現場では、数人の作業員が動員されていて、ショベルカーなどを使って懸命に作業が行われていた。仮置き場の脇を川が流れており、この川が溢れたものと思われる。この仮置き場の場所自体が不安定だということがわかる。ペシャンコになったフレコンバッグや、明らかに泥まみれになって変形しているバッグも散見された。そのこと自体が尋常ではないことなのだ。

 その後、田村市役所に行き、担当者の説明を聞く。事態をあまり重視していないかのような応対だった。

 「調査情報」「週刊現代」の最終校正終わる。夕刻、郡山から東京に戻る。長い2日間だった。でも私たちは通過者にすぎない。

10月16日(水) 27日からのKAWASAKIしんゆり映画祭のアフタートークに参加できない可能性が高くなってきて、担当のOさんと相談して事前にVTRメッセージを収録する。Nに手伝ってもらう。ありがたい。

 東京オリンピックのマラソン、競歩の開催場所を札幌に移転するとIOC(国際オリンピック委員会)が日本側に伝えてきたという。結構な騒ぎになっている。でも、いいんじゃないか。僕は何しろ北海道贔屓だ。カタール・ドーハの世界陸上選手権大会で、選手の棄権が相次いだことから、アスリート・ファーストを考慮してのIOCの判断だという。僕は東京オリンピックの開催そのものに反対なので、それ以前のところでひっかかっているのだから、何も言えないが。

小泉進次郎氏が1カ所だけ自分の言葉で喋っていたのは…

10月17日(木) 某海外取材プロジェクトの取材打ち合わせ。いろいろある。細野晴臣さんの映画『NO SMOKING』へのコメント。

 18時30分から神保町で打ち合わせ。以前から約束していた旭川でのシンポジウム、欠席の可能性がかなりあり、こちらもビデオ収録で代替するという相談。ただ旭川の現地で収録しなければならない。準備を進めていただいた方々に申し訳ないので旭川に飛ぼう。

10月18日(金) 午前9時過ぎから、環境省で小泉進次郎環境大臣の定例記者会見に出る。汚染土などが入ったフレコンバッグの流出状況について聞くため。こんなに必要なのかと思われるほどの数の環境省の役人が会見場で大臣そばに控えていた。司会進行の役人の態度に「さっさと終わらせたい」という気持ちが何となく透けて見えて、何とかならないものかと思ってしまう。

 進次郎氏は基本的には、役人の書いた作文を自分流に読んでいただけだった。1カ所だけ自分の言葉で喋っていたのは、「東京オリンピックのマラソンが札幌に変更されるかもしれないが、ご見解を」などと聞く記者がいたものだから、

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