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11月3日「文化の日」はだれの誕生日?

「文化の日」を「明治の日」に変更する自民党有志の改正案が意味するもの

志田陽子 武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術関連法)

「憲法の誕生日」はいつ?

 「憲法の誕生日といえば、何月何日?」

 大学の憲法の授業の初回で、そのように問いかけることがある。

 スライドで、バースデーケーキの絵を出す。「5月3日」と答える学生がちらほら。そこでにんまり笑って、答える。

 「5月3日は、憲法が歩きだした日。施行された日なんです」

 スライドは、赤ん坊がよちよち歩きをしている絵に変わる。

 「では、憲法の誕生日は?」

 ここで授業では、DVDに収められた1946年11月3日、第90回帝国議会における天皇の「日本国憲法公布」の映像を出す。

 このとき昭和天皇が読み上げた言葉がある。

 「朕は、国民とともに、自由と平和とを愛する文化国家を建設するように努めたいと思う」

拡大新憲法公布記念式典で、昭和天皇から勅語を授かる吉田茂首相=1946年11月3日、帝国議会・貴族院本会議場(国会内・参院本会議場)

 主権者の地位を降りて「人間」となった天皇が、日本国および日本国民の「象徴」として憲法に定められた「国事行為」を行った、最初の場面である。

 ここでもう一歩、踏み込んで尋ねてみる。

 「11月3日は、憲法の誕生日と同時に、もう一人、誰かの誕生日です。誰だと思います?」

 これに答えられた学生は、これまでいない。

 答は明治天皇である。

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筆者

志田陽子

志田陽子(しだ・ようこ) 武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術関連法)

武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術関連法)。早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(法学・論文博士・早稲田大学)。「表現の自由」、文化的衝突をめぐる憲法問題を研究課題としている。また、音楽ライブ&トーク「歌でつなぐ憲法の話」など、映画、音楽、美術から憲法を考えるステージ活動を行っている。 主著『「表現の自由」の明日へ』(大月書店2018年)、『合格水準 教職のための憲法』(法律文化社2017年)、『表現者のための憲法入門』(武蔵野美術大学出版局2015年)、『あたらしい表現活動と法』(武蔵野美術大学出版局2018年)、『映画で学ぶ憲法』(編著)(法律文化社2014年)、『文化戦争と憲法理論』(法律文化社2006年、博士論文)。

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