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困っている人とばかり会い続ける

[161]即位の礼、宮城県丸森町、福島県川内村、しんゆり映画祭…

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

被災者に会い続けるのは、つらい

10月23日(水) 英フィナンシャル・タイムズが、中国が香港の林鄭月娥行政長官の更迭を検討していると報じたようだ。大阪の情報源から、関西電力の関係で情報提供あり。夜、大阪で直接会うことに。

 午後、即位の礼の国賓として来日しているイランのラアヤ・ジョネイディ副大統領にインタビュー。滞在先の帝国ホテルで。厳重なボディチェックを受けた後、40分以上にわたって語っていただいた。法律担当の女性の副大統領で、聡明な印象。内容はここには書けない。20時半から伊丹空港でI氏。面白い。

10月24日(木) 朝8時の伊丹発の便で仙台へ。ところが伊丹空港のターミナルビルがめちゃくちゃに混んでいる。「即位の礼にともない、ただいま保安検査場の検査を強化させていただいております」とのアナウンス。おととい即位の礼は終わっていて、それは東京でのことだ。どうして大阪でこんな目に遭うのか。長蛇の列ができている。上着を脱げ、パソコン、シェイビングクリームのスプレー缶を出せ、くるぶしより深い靴は脱げ等々、ものすごく細かいことを言ってくる。

 仙台から丸森町へと向かう。丸森町役場でTディレクターらと合流。町役場の前の広場は災害ゴミ置き場と化していた。町民が車で次々にゴミを運び入れて来ていた。自衛隊員が高齢者らを手伝っている。ゴミのなかでも目立っているのは畳だ。いったん水没した畳は水を吸ってずっしりと重くなり、使い物にならなくなっている。おびただしい数の畳ゴミが積みあがっていた。そればかりか電化製品の山。一番たちが悪いかも。電気冷蔵庫、液晶テレビ、洗濯機、扇風機等々。

仮置き場に積み上げられた台風19号による「災害ごみ」=2019年10月23日、宮城県丸森町拡大仮置き場に積み上げられた台風19号による「災害ゴミ」=宮城県丸森町

 その後、役場から近い場所の一軒家を訪ねた。宮城県の亘理町で3・11津波で被災して夫を家もろとも失った婦人・渡辺すみよさん(79)の自宅だ。夫と自分のふるさと、丸森町に移ってきて、終の棲家を建てた渡辺さんの話は、取材していてもつらすぎて、軽々に言葉を発したくない気持ちになる。終の棲家は浸水したが、夫の仏壇の遺影の下で浸水は止まったのだという。

 僕ら以外のマスコミの記者たちの名刺が無造作に小箱のなかに置かれていた。もうかなりの記者やカメラマンたちが渡辺さんのもとを訪れたのだろう。一番聞きづらいことを聞いた。「これからどうされるのですか」。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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