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日本から見えにくい中国経済のもう一つの本質・下

本格化する最近の景気減速をどう解釈すればいいのか

酒井吉廣 中部大学経営情報学部教授

拡大Nickolay Vinokurov/shutterstock.com

 第19期中国共産党中央委員会第4全体会議(4中全会)が10月28日から31日まで開催された。今回は、3中全会の時のような経済政策案への対立がなく、鄧小平以来の改革・開放を修正した「社会主義基本経済制度」を前面に出し、国有企業のさらなる改革と民間や学校など末端組織までの共産党指導を訴えた。

 これを中国の先祖返りと言う声は日本を含め海外で少なくないが、その意味するところは、「日本からは見えにくい中国経済のもう一つの本質(上)」で書いた中国型社会主義への邁進である。

GDPが27年半ぶりの低水準に

 中国経済は、10月18日に発表された2019年第3四半期のGDP(前期比、人民元ベース)がプラス6.0%と前期より更に0.2%低下し、27年半ぶりの低水準となった。1~9月を通してみてもプラス6 .2%で、前年度より0.4%ポイント下がっている。

 一方、中国関税総署が10月14日に発表した1~9月の輸出入(人民元ベース)をみると、輸出がプラス5.2%、輸入がマイナス0.1%であったが、このうち9月単月では、輸出がマイナス0.7%、輸入がマイナス6.2%であった。これを対米貿易に絞ると、1~9月期の対米輸出がマイナス6.0%、輸入がマイナス22.5%と、米中貿易摩擦の影響が悪化していることがわかる。

 直近の経済データが4中全会の発言に影響していることは間違いない。本稿では、現状の経済の悪化傾向とそれへの対策について見ておきたい。

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筆者

酒井吉廣

酒井吉廣(さかい・よしひろ) 中部大学経営情報学部教授

1985年日本銀行入行。金融市場調節、大手行の海外拠点考査を担当の後、信用機構室調査役。2000年より米国野村証券シニア・エグゼクティブ・アドバイザー、日本政策投資銀行シニアエコノミスト。この間、2000年より米国AEI研究員、2002年よりCSIS非常勤研究員、2012年より青山学院大学院経済研究科講師、中国清華大学高級研究員。日米中の企業の顧問等も務める。ニューヨーク大学MBA、ボストン大学犯罪学修士。

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