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玉木雄一郎代表が語る安倍政権の限界と野党の覚悟

消費税見直し、「若者減税」、山本太郎氏との連携……。5年以内の政権交代を目ざして

星浩 政治ジャーナリスト

大企業重視から家計中心に経済政策へ

拡大玉木雄一郎さん
――どうすればいいでしょうか。

玉木 経済の好循環を作り出すためのスタート地点を、民主党政権時代も含め、これまで大企業においてきました。大企業がもうかれば従業員の給料が増え、中小企業、関連企業に恩恵がいき、地方も豊かになるという「トリクルダウン」の論法です。アベノミクスも同様ですが、結局、トリクルダウンは起きなかった。企業の内部留保がたまり、株を持つ人がもうかるばかりで、普通の労働者に恩恵は及びませんでした。

 好循環のスタート地点を変えなければなりません。それは「家計」です。具体的には、家計の可処分所得を増やし、消費を軸とした好循環をつくる経済政策に転換すべきです。

 米中貿易戦争は今日、明日におさまる話ではない。対米、対中輸出に頼る輸出主導型経済から脱しなくていけない。カギを握るのは、GDPの6割を占める消費。消費にプラスのことは何でもやり、マイナスなことはやらないというぐらいの発想が重要です。

消費税に頼る税制の見直しも

――その場合、消費税はどうしますか。

玉木 消費税が基幹税として大事であることは認めますが、消費を軸とした好循環を実現するうえで、消費税に頼る税制も見直したほうがいいと考えています。

――平成の税制改革は消費税を軸に展開されてきました。そこを変えるとなると、一大転換ですが。

玉木 アベノミクスにかわる消費を軸にする経済政策を野党が打ち出す際、税制の見直しは避けて通れない課題です。たとえば所得税。日本は累進課税ですが、年間所得1億円をピークに税の負担率は下がっている。お金持ちは金融所得が多いからです。ここは改めて、金融所得も合算した総所得に累進の税率をかけるようにすべきです。

拡大年収別の所得税負担率。年間所得1億円をピークに税の負担率は下がっている。

――財政再建はどうしますか。

玉木 たしかに財政再建は重要ですが、結果として達成するべき目標であり、財政再建そのものを目標にするのは間違いです。財務省にいた私がいうのはなんですが、政治が向き合うべきは人々の暮らしであり、幸せであり、安心です。そのために財政を使えるなら使えばいい。それで経済が豊かになり、生活が安定し、税収が増えて、結果的に財政再建が進むのはいいが、国民生活に犠牲を強いてまで財政再建をするというのは本末転倒です。しかも、いまはそれを許す状況がある。世界的な低金利です。

 ここでポイントは財政の支出先です。これまでは公共事業が中心でしたが、今後は国債を発行し、そこで得られたお金を家計に届ける、子どもたちの未来に届けるという発想に変えるべきです。PB(プライマリー・バランス)のために未来の成長の芽を犠牲してはいけません。

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筆者

星浩

星浩(ほし・ひろし) 政治ジャーナリスト

1955年福島県生まれ。79年、東京大学卒、朝日新聞入社。85年から政治部。首相官邸、外務省、自民党などを担当。ワシントン特派員、政治部デスク、オピニオン編集長などを経て特別編集委員。 2004-06年、東京大学大学院特任教授。16年に朝日新聞を退社、TBS系「NEWS23」キャスターを務める。主な著書に『自民党と戦後』『テレビ政治』『官房長官 側近の政治学』など。

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