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AI利用最前線の闇 

「ゴーストワーク」と「キラーロボット」

塩原俊彦 高知大学准教授

AIの闇 ② 軍事利用

 AIには、もう一つ重要な闇がある。それは、AIの軍事利用だ。拙著『サイバー空間における覇権争奪』でも指摘したように、AIは両刃の剣である。

 健康管理や医療、財務運用、自動運転、各種ロボットなどに搭載されれば、人間の能力を補完したり、一部代替したりできるのだが、他方で、顔認証AIによる監視に使ったり、特定目標への攻撃用「キラー(殺人)ロボット」に搭載したりして、人権やプライバシーを侵害し、民主主義の根幹を毀損する可能性をもっている。

 日本のように「平和ボケ」しているような環境にいると、AIの軍事利用と開発の問題をどう解決するのかについて議論がなさすぎるのではないかと危惧せざるをえない。2019年11月、米国では「AIに関する国家安全保障委員会・中間報告」が公表された。AIは機械、システム、武器に利用可能であり、意思決定をより迅速にしたり、ロボットや無人機に搭載したりできる。

 AIはキラーロボットを支える根幹技術である。すでにイスラエルのアエロスペイス・インダストリーズ(IAI)は

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

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