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福島原発処理水の海洋放出を決断する時だ

福島に寄り添い、差別とは断固として戦う

細野豪志 衆議院議員

 東京電力福島第一原発に保管されている処理水を巡って議論が活発になっている。きっかけの一つは、各種の国際会議において韓国が処理水の危険性を喧伝したことにある。

 処理水に関する責任の一端は、原発事故直後の責任者である私にもある。過去にも処理水については国内でも様々なデマが流布してきたが、疑いを持たせた責任は原発事故を防げなかった政府にもあると考えて、批判はしてこなかった。

 しかし、国内のデマを放置してきたことが、韓国の政治的かつ理不尽な主張につながっている面があり、もはや放置することはできない。

 結論から言うと、私はトリチウムを含む処理水を海洋放出する以外の選択肢はないと考えている。

 処理水については、事故直後より様々な方法が検討されてきたが、トリチウムを除去するには膨大な電力を要し、全ての処理水からトリチウムを除去するのは非現実的だ。

拡大タンクが並ぶ東京電力福島第一原発=2017年2月

処理水をそのまま放出するというのは誤解

 現在備蓄されている処理水にはトリチウム以外の核種も含まれているので海洋放出するのは危険だとの指摘がある。これは明確に誤解だ。

 放出する前には、もう一度他の核種を除去し、安全性を慎重に確認する作業が必要になる。ちなみに、こうしたオペレーションは現在も他の原発では行われており、現場の声を聞いたところ比較的スムーズに行いうるだろうとのことだった。

 「備蓄されている危険な汚染水をそのまま流す」といった明らかなデマを拡散するのは控えてもらいたい。処理水の問題は専らトリチウムの問題なのだ。

 田中俊一初代原子力規制委員長は、退任後、福島県飯舘村に転居し、福島の復興に尽力されている。田中氏は最近の公演の中で次のように述べている。

 「トリチウムというのは、世界中の原発から日常的に捨てられています」

 「トリチウムはいずれ、どんなことやっても希釈廃棄。きちんと処理して捨てる以外はないと思います。漁民の方ときちんと向き合って話す勇気を、国も政府も持つべきだと思います」

 田中俊一初代委員長に続いて委員長に就任した更田豊志現委員長も、就任後「海洋放出するしかない」との見解を繰り返し述べている。

 経済産業省には有識者会議が設けられている。『汚染水処理対策委員会』は22回も開かれ、その下で『多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会』が14回開催されている。それらの会議の中で、専門家である委員から科学的な安全性について異論は出ていない。

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筆者

細野豪志

細野豪志(ほその・ごうし) 衆議院議員

1971年(昭和46年)生まれ。2000年衆議院議員初当選(現在7期)静岡5区。総理補佐官、環境大臣、原発事故担当大臣を歴任。専門はエネルギー、環境、安保、宇宙、海洋。外国人労働者、子どもの貧困、児童虐待、障がい児、LGBTなどに取り組む。趣味は囲碁、落語。滋賀県出身

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