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福島原発処理水の海洋放出を決断する時だ

福島に寄り添い、差別とは断固として戦う

細野豪志 衆議院議員

福島の処理水は仏の再処理施設の年間放出量の14分の1

 各国はICRP(国際放射線防護委員会)の考え方に基づいてトリチウムの排出基準を設けており、現在も海洋放出を行っている。科学的には放出しても問題がないとの結論が出ているのだ。

 日本と同様に濃度基準を設けている国から見ていく。それぞれ若干数字は異なるが、各国が一定の前提を置いて、当該濃度の水を毎日一定量摂取し続けた場合、被ばく線量1mSv/年から逆算している。

日本       60000 Bq/L
米国       37000 Bq/L
韓国       40000 Bq/L

 日本国内の各原発はもちろん、米国や韓国の原発からも濃度基準以下のトリチウムが現在も放出されている。韓国は日本の処理水の扱いについて懸念を表明しているが、例えば2016年、韓国国内の月城原発は、液体放出すなわち海洋放出で17兆Bq、気体放出で119兆Bqのトリチウムを排出している。

 一方で、施設ごとに総量基準を設けている国もある。

<英国>
発電所毎  80~700 兆Bq/年
セラフィールド再処理施設  18000 兆Bq/年
<仏国>
発電所毎  45兆 Bq/年
ラ・アーグ再処理施設  18500 兆Bq/年
<カナダ>
発電所毎  370000~46000000 兆Bq/年

 重水炉であるカナダの原発、再処理施設のトリチウム排出量は、各国の軽水炉原発と比較して多い。それぞれの施設の特徴に応じて総量基準は設けられているのだ。

 福島に貯蔵されている処理水のトリチウムの総量は約1000兆Bq。仏のラ・アーグ再処理施設で一年間に排出されるトリチウムは約1京3700兆Bqの14分の1程度だ。

 カナダの重水炉や英仏の再処理施設の例を見ると一年間で放出しても問題はないが、年間の排出管理目標を設けて長い年月をかけて放出する方法も考えられるだろう。放出する場合は、国内基準である60000Bq以下に十分に希釈することになる。

拡大福島第一原発に並ぶ貯蔵タンク=2019年7月10日、福島県大熊町

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筆者

細野豪志

細野豪志(ほその・ごうし) 衆議院議員

1971年(昭和46年)生まれ。2000年衆議院議員初当選(現在7期)静岡5区。総理補佐官、環境大臣、原発事故担当大臣を歴任。専門はエネルギー、環境、安保、宇宙、海洋。外国人労働者、子どもの貧困、児童虐待、障がい児、LGBTなどに取り組む。趣味は囲碁、落語。滋賀県出身

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