「桜を見る会」が日本政治に突きつけた本当の問題
「国民が認めた」努力に報いる民主主義国家であり続けるかどうかが問われている
米山隆一 衆議院議員・弁護士・医学博士

首相官邸で、「桜を見る会」に関する取材に応じる安倍晋三首相=2019年11月18日
「桜を見る会」をめぐり、政界がざわついています。招待者の選考基準のあいまいさ、予算の膨張が問題となるや、突如、中止が決定されましたが、今なお疑念が晴れたとはいえず、安倍晋三総理の後援会会員を対象とした「夕食会」をはじめ、多くの問題が議論を呼んでいます。
すでに多くの論者によって論じられているところではありますが、「桜を見る会」の一体、何が問題なのか。①「桜を見る会」の前夜に行われた安倍晋三後援会の「夕食会」、②「桜を見る会」自体の二つに分けて、私見を述べたいと思います。
前夜の「夕食会」について総理の説明は
まず安倍晋三後援会の「夕食会」について論じます。
この「夕食会」については「ホテル・ニューオータニで1人あたり会費5000円のパーティーが可能か否か」が世間の注目を集めると同時に、2013年から昨年まで安倍総理関連の後援会の政治資金収支報告書にこの「夕食会」の記載がないことが、政治資金規正法に反するのではないかという疑いが提起されています。
これに対して安倍総理は、記者会見で次のように説明しています。
「夕食会の価格設定が安過ぎるのではないかという指摘がございます。そういう報道もありますが、参加者1人5000円という会費については、これはまさに大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、ホテル側が設定した価格である、との報告を受けております。以上、以前すでに行った国会での私の説明を、正確に補足させていただいたところでございます」
「収支報告書への記載は、収支が発生して初めてそれは発生するんです。公職選挙法を見ていただければ明らかなんですが、それは政治資金規正法上、収支が発生して初めて記入義務が生じます。いま申し上げましたように、交通費、宿泊費等について、直接代理店に支払っていれば、これは後援会に収支は発生しません。前夜祭についても、ホテルが領収書を出し、そしてそこで入ったお金をそのままホテルに渡していれば、収支は発生しないわけでありますから、政治資金規正法上の違反にはまったく当たらないということであります。その際、事務所の者がそこで受付をするということは、これは問題ないということでございます」(首相官邸HP参照)
これは本当でしょうか。