「桜を見る会」が日本政治に突きつけた本当の問題
「国民が認めた」努力に報いる民主主義国家であり続けるかどうかが問われている
米山隆一 衆議院議員・弁護士・医学博士
「夕食会」が明らかにした最大の問題
にもかかわらず、今に至るまで安倍総理はこれを行わず、与党自民党もまた、本件については安倍総理の国会での集中審議を拒否する意向と報じられています。それどころか上記の通り安倍総理は、この「夕食会」において、総額を示す明細書等は一切ないという社会通念上およそ真実とは信じがたい主張を堂々と行っています。
それはすなわち、安倍総理にも与党自民党にも、国民の疑念に対して説明義務を果たす意思がないどころか、自らのつじつま合わせの為には、どれほど社会通念上およそ信じがたく、合理性・信ぴょう性が一切ない主張をしても問題ないと思っているということです。それは、彼らにとって「為政者は国民から選ばれたことによって正当性を持つ」のではなく、「為政者は、為政者ゆえに正当性を持つのであり、説明どころか、主張の合理性・信ぴょう性すら不要である」と考えている証左であるように、私には思えます。
そして私は、「1人5000円」が真実でないなら公職選挙法違反であり大問題であることはもちろんですが、それと同時に、この「為政者は国民から選ばれたことによって正当性を持つ」という意識の欠如こそが、「桜を見る会」の前夜に行われた安倍晋三後援会の「夕食会」で明らかになった最大の問題であると、思います。
「桜を見る会」に招かれた時に感じた感慨

今年の「桜を見る会」。安倍晋三首相(中央左)、昭恵夫人(同右)と記念撮影をする参加者=2019年4月13日、東京都新宿区
「桜を見る会」自体についても、同じことが言えます。
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