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桜を見る会 だァれもいないと思っていても・・・

長期政権の弊害を「ちゃんと見ていた」SNS時代のエンゼルたち

井戸まさえ ジャーナリスト、元衆議院議員

 永遠にその栄華が続くと思われた治世もいずれは崩壊の時がやってくる。歴史を紐解くまでもなくそれはたいてい組織内部の腐敗等「自壊」から始まる。

 11月20日には桂太郎内閣を抜いて憲政史上最長となる見通しの安倍政権。10月に起こった2大臣連続の辞任の背景には党内抗争も噂され、「桜を見る会」に関わる問題では長期政権の弊害が指摘される。

 森友、加計学園問題等では追及を乗り切り得た「成功体験」だが、そこでの慢心こそが安倍一強の砂の山を崩していく。

「金で買えないものの提供」で基盤増強

拡大安倍首相、昭恵夫人を囲んで記念撮影する「桜を見る会」の参加者ら=2019年4月13日、東京・新宿御苑

 2006年9月に小泉政権を引き継ぎ誕生した第一次安倍内閣は自ら「美しい国づくり内閣」と命名したものの翌年8月に安倍総理の辞任で終わる。5年後の2012年に再誕する第二次安倍内閣は短命に終わった第一次の反省を踏まえた上で、その基盤を強固にするための様々な工夫を行なっているように見える。

 そのひとつ、後援基盤の定着・拡大戦略の一つは「金では買えないものの提供」である。

 安倍総理も昭恵夫人もいわゆる「名家」の出身である。今後も含めた人生の中では、たとえなにがあっても「明日から仕事を失ったり」「生活に困窮したり」「一文無し」どころか「借金苦に悩んだり」などということはないだろう。祖父を思えば、万が一のことがあり「プリズン」に入ることがあってさえ復活できるはず。

 その楽観的思いである「根拠なき権力」の源泉は血脈ゆえ無条件に与えられたものである。学歴エリートの政治家や官僚が周りにいても、多少勉強が苦手な自分の方が存在価値が上。通常は努力しなければ開かない、いや努力しても開くことがない扉は安倍総理夫妻の前では最初から開いているのである。

 しかし、第一次政権での総理辞任で得たそれまでには予想もしなかった苦しみの中で、自分にとっては当たり前の「ファストパス」を羨望し、欲しがっている人がいることに気がついたときに、これを使わない手はないと思い至ったのだろう。自分のいる世界を少しでも覗き見させれば友人も後援者も党内での基盤も含めて確実に増強されていくという実感があったに違いない。

 かぼちゃの馬車に時間限定で乗せ、「プチセレブ感」を味わわせる体験型テーマパーク、参加型アトラクションを「公的行事」を利用しながら、後援者に提供するという方法を定番化するのである。

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筆者

井戸まさえ

井戸まさえ(いど・まさえ) ジャーナリスト、元衆議院議員

1965年宮城県生まれ。ジャーナリスト。東京女子大学大学院博士後期課程在籍。 東洋経済新報社勤務を経て2005年より兵庫県議会議員。2009年、民主党から衆議院議員に初当選(当選1回)。著書に『無戸籍の日本人』『日本の無戸籍者』『 ドキュメント 候補者たちの闘争』、佐藤優との共著『不安な未来を生き抜く最強の子育て』など。

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