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桜を見る会 だァれもいないと思っていても・・・

長期政権の弊害を「ちゃんと見ていた」SNS時代のエンゼルたち

井戸まさえ ジャーナリスト、元衆議院議員

アベノミクスの甘い雫は局地的に滴り落ちる

 基本的に誰もがチケットを購入すれば参加できる政治資金パーティー等の私的行事と政府や総理大臣が主催する公式行事は違う。公式の場合は招待されるにはそれなりの基準があり、「セレクト」される。つまり権威づけ、格付けが行われ、参加できるということはその基準をクリアしたものと自他共に認められたということを示すことができるのだ。

 それを例えるならば、限られた一握りの選ばれた人しか得ることができない「限定品」。1952(昭和27)年から続いてきた「桜を見る会」もそれに合わせて趣向を変えていった、とも言えるだろう。

 招待券がメルカリで売られていた、という話もあるが、「桜を見る会」は基本的には功労者を招く会だ。本来「金では買えないもの」の典型でもある。しかも、「桜を見る会」のツアーに参加すれば一般人が払う金額より安い料金で高級ホテルに宿泊したり、破格値と思われるパーティーもついてくる。

拡大「桜を見る会」来場者と握手して回る安倍首相=2019年4月13日、東京・新宿御苑

 もちろん、ホテルニューオータニに泊まったり、高級寿司店で食事したりすることは金を出せば誰でもできるが、通常ならばこの何倍もかかる。つまり「値引き」すら安倍後援会だからこそ。一般人が「金を出しても」同様の扱いとはならないという、なんとも「あべこべ」なパラドクスが生まれるのだ。

 つまり、安倍総理の選挙を応援し、無批判に称賛し続ければ「おこぼれ」が降ってくるということの可視化が「桜を見る会」だったとも言えるのではないか。一般国民にはアベノミクスの雫はついぞ国民の生活に滴り落ちることはなかったが、局地的に山口県、安倍後援会の中だけはそんな甘い汁が滴り落ち続けているのである。

 ツアー参加者はオフィシャルな権威を一瞬だけまとった自分を切り取り写真に収め、「セレブな自分」をインスタ等SNSで発信し自己宣伝に使うことも可能。実生活では得られない体験だからこそ魅力がある。その「ツボ」を心得たからこそのツアー募集だったのだろう。

 そういう視点から見ると、それまで社会との折り合いの中で自己肯定感を持てずにいた人々が「アベ友」となり安倍総理の思想信条を代弁、過剰に持ち上げることで自分の存在意義を確認している様にも納得がいく。彼らは現実の

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筆者

井戸まさえ

井戸まさえ(いど・まさえ) ジャーナリスト、元衆議院議員

1965年宮城県生まれ。ジャーナリスト。東京女子大学大学院博士後期課程在籍。 東洋経済新報社勤務を経て2005年より兵庫県議会議員。2009年、民主党から衆議院議員に初当選(当選1回)。著書に『無戸籍の日本人』『日本の無戸籍者』『 ドキュメント 候補者たちの闘争』、佐藤優との共著『不安な未来を生き抜く最強の子育て』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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