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女性・女系天皇は不可避~実際の皇位継承順位は?

「安定的皇位継承」の議論先送りは許されない

登 誠一郎 元内閣外政審議室長

この議論を急ぐべき理由

 先月、今月と厳かに挙行された即位の礼及び大嘗祭の儀、さらにはその後の祝賀御列の儀(パレード)を通じて、天皇皇后両陛下に対する国民の尊敬及び親愛の情は大いに高まり、我が国における象徴天皇制の重要性は、国民一般の強く認識するところとなったと確信する。そこでこれから重要なことは、この象徴天皇制を如何にして安定的に継承するかである。

 現在の皇室典範に基づくと、天皇陛下より若い皇位継承資格者は、秋篠宮さまと悠仁さまの2名のみであり、今後これが増える可能性は悠仁さまの直系以外にはない。これは皇室の存亡にかかわる問題であるので、一昨年の天皇退位に関する皇室典範特例法制定に当たり、「安定的な皇位継承の諸課題は先延ばしできない課題であるので、政府は速やかにこの検討を行って国会に報告すること」との付帯決議が採択された。

 この議論は遅くとも一連の祝賀行事の終了後に直ちに開始されるものと想像されていたが、伝えられるところによると、政府はこれを延期して、秋篠宮さまの皇位継承順位を内外に知らせる来年4月中旬すぎの「立皇嗣の礼」以降にするとの意向のようである。

 ここ10年以上にわたっての各種世論調査によると国民の7割以上の支持を得ている「女性天皇・女系天皇容認論」の沈静化を待つ態度とも受け取れる極めて恣意的な対応であり、象徴天皇制の安定的継承という日本国にとっての最重要課題の一つに取り組む責任を回避しているといわれても仕方がない。

 政府内には、悠仁さまが成人され、ご結婚されるまでまだ10年以上の時間があると思われるので、いま急いで安定的な皇位継承策を検討する必要はないとの意見もあると仄聞するが、皇位につくためには相応のご覚悟が必要であり、また帝王学も身に就ける必要があるので、安定的皇位継承に資するあらゆるオプションをしっかりと検討の上、継承順位を速やかに確定すべきものと考える。

拡大愛犬の「由莉」とともに、那須御用邸の敷地内を散策する天皇、皇后両陛下と愛子さま=2019年8月19日、栃木県那須町

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筆者

登 誠一郎

登 誠一郎(のぼる・せいいちろう) 元内閣外政審議室長

兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、外務省入省(1965)、駐米公使(1990)、ロサンジェルス総領事(1994)、外務省中近東アフリカ局長(1996)、内閣外政審議室長(1998)、ジュネーブ軍縮大使(2000)、OECD大使(2002)を歴任後、2005年に退官。以後、インバウンド分野にて活動。日本政府観光局理事を経て、現在、日本コングレス・コンベンション・ビューロー副会長、安保政策研究会理事。外交問題および観光分野に関して、朝日新聞「私の視点」、毎日新聞「発言」その他複数のメディアに掲載された論評多数。

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