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民主派大勝で頑なになる中国。香港に活路はあるか

民主派が親中派を圧倒した区議選の後も続く香港デモ。出口が見えない民主化運動

藤原秀人 フリージャーナリスト

拡大メッセージの書かれた紙を持ち香港島を背に海辺を練り歩くデモの参加者たち。区議選の後もデモは続いている=2019年12月1日、香港

 バス停の位置やごみ回収の回数など暮らしに身近な問題を扱ってきた香港区議会の選挙は今回、民主化をめぐる「住民投票」の様相となり、民主派が親中派を圧倒し地滑り的な勝利を収めた。 

 選挙から3日後の11月27日には、トランプ米大統領は香港の人権と自治を擁護するための「香港人権・民主主義法案」に署名し、「内政干渉」として中国側が猛反対していた同法は成立した。これは、香港特別行政区政府やその後ろ盾である中国への抗議を続けている民主派への支援になるが、中国側に譲歩の兆しは見られない。むしろ、より強張り、居丈高になっている。

区議会選挙が直接選挙になったわけ

 独裁を続けたい中国共産党にとって、リーダーを民主的な投票で選ぶことは、体制転覆につながりかねないので禁物だ。だからこそ、1997年の香港返還に際しても、香港政府トップの行政長官は間接選挙を経て北京の中央政府が任命する仕組みをつくった。国会にあたる立法会も、直接投票で選ばれるのは議員の一部にすぎない。

 これに対し区議会は、予算の承認や条例の制定といった本来の議会に必要な権限はなく、影響力は小さいため、議員を直接投票で選ぶやり方が残った。

 議員は住民にとって役に立つかどうかという“基準”で選ばれる傾向があり、高邁(こうまい)なスローガンが叫ばれることのない「どぶ板選挙」が続いていた。

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筆者

藤原秀人

藤原秀人(ふじわら・ひでひと) フリージャーナリスト

1980年、朝日新聞社入社。外報部員、香港特派員、北京特派員、論説委員などを経て、2004年から2008年まで中国総局長。その後、中国・アジア担当の編集委員、新潟総局長などを経て、2019年8月退社。2000年から1年間、ハーバード大学国際問題研究所客員研究員。

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