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「ベルリンの壁崩壊30年」が物語るもの

花田吉隆 元防衛大学校教授

旧東独の住民は豊かさを実感

 旧東独の経済は決して悪くない。実際、現地を訪れてみて驚くのは社会インフラが西に比べはるかに整っているということだ。道路の舗装もきれいだし、バス停など西に比べはるかによく整備されている。何と言っても設備が真新しいのが目を引く。老朽化が著しいのに、財政難もあり全てに手が回らない西側とはだいぶ違う。他でもない、この30年に旧東独に移転された財政資金が普通でない。その額2兆ユーロ(約240兆円)。旧西独住民は連帯税として自らの所得の一部を旧東独に回した。その結果がこの美しく整備された社会インフラに他ならない。

 他東欧諸国と比べても旧東独の成績は立派だ。一人当たりGDPでは、わずかにポーランドが旧東独を上回る成長を遂げるに過ぎない。旧東独は、壁崩壊の時に比べ、この30年で一人当たりGDPを2倍増以上に成長させた。住民は豊かさを日々実感している。

 むろん、旧東独経済に問題がないわけではない。例えば

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