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VPNでわかるインターネット規制の現状

規制強化VS匿名性の確保

塩原俊彦 高知大学准教授

匿名性への配慮を

 すでに指摘したように、日本人のVPNへの関心は低い。それは決して悪いことではない。キャッシュレス化が遅れた日本の背後に相互信頼の伝統があったのと同じように、政府への信頼があったからこそ、多くの日本国民はVPNを利用してまで自らの情報を守ろうとしないのであろう。しかし、それでは通用しない厳しい現実が世界にはある。

 とくに痛感するのは、匿名情報への配慮が足りないことである。マスメディアが視聴者から匿名の機密情報を得ようとする際、その情報提供者を守るために十分な配慮をしているだろうか。「情報提供」という言葉と日本の報道機関の名前を入力して検索すると、各社は一応情報提供を受け付ける態勢にはなっている。しかし、機密保持に万全を期そうとする熱意が感じられない。たとえば、文芸春秋は、「文春リークス」というサイトで情報提供を求めている。しかし、その匿名性確保については、

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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