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消化不良の臨時国会。安倍首相の責任と野党の弱さ

説明責任を果たさない首相。内閣不信任案を出せない野党。国民の不信は高まるばかり

田中秀征 元経企庁長官 福山大学客員教授

拡大臨時国会が閉会し、記者会見で質問に答える安倍晋三首相=2019年12月9日、首相官邸

 10月4日に召集された臨時国会は12月9日、67日間の会期を終えて閉会した。第2次以降の安倍政権のもとでの臨時国会としては2番目の長さだったにもかかわらず、消化不良というか、後味の悪い終わり方だった。

 会期末に際し、私は立憲民主党や国民民主党などの野党に対して、1週間ほどの短期の会期延長や安倍晋三内閣不信任案の提出によって、政権与党を真正面から攻めることを、私は期待した。おそらく、世論もそれを強く望んでいただろう。ところが、野党の要求は、「40日間の会期延長」だった。

野党の“弱気”に漂う無力感

 「40日間」も延長すると、国会は当然越年する。それは与党が逆に断りやすい数字だろう。案の定、与党は「今後の政治的日程がタイトだ」(森山裕・自民党国会対策委員長)として、野党の要求を拒否した。

 にもかかわらず、野党が引き下がったのは、世間を騒がせ続けている「桜を見る会」に関する閉会中審査に、与党が応じたからだという。それにあわせて、肝心の内閣不信任案の提出も見送ることになった。

 臨時国会中の10月下旬に相次いだ2人の閣僚の辞任、11月になって問題化した「桜を見る会」といった不祥事で内閣ががたつく今の局面は、野党から見れば衆議院解散も覚悟した勝負どころだったが、腰が砕けてしまった。野党の“弱気”には、無力感さえ漂う。

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筆者

田中秀征

田中秀征(たなか・しゅうせい) 元経企庁長官 福山大学客員教授

1940年生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒。83年衆院選で自民党から当選。93年6月、自民党を離党し新党さきがけを結成、代表代行に。細川護熙政権で首相特別補佐、橋本龍太郎内閣で経企庁長官などを歴任。著書に『平成史への証言 政治はなぜ劣化したのか』(朝日選書)https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20286、『自民党本流と保守本流――保守二党ふたたび』(講談社)、『保守再生の好機』(ロッキング・オン)ほか多数。

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