説明責任を果たさない首相。内閣不信任案を出せない野党。国民の不信は高まるばかり
2019年12月12日
10月4日に召集された臨時国会は12月9日、67日間の会期を終えて閉会した。第2次以降の安倍政権のもとでの臨時国会としては2番目の長さだったにもかかわらず、消化不良というか、後味の悪い終わり方だった。
会期末に際し、私は立憲民主党や国民民主党などの野党に対して、1週間ほどの短期の会期延長や安倍晋三内閣不信任案の提出によって、政権与党を真正面から攻めることを、私は期待した。おそらく、世論もそれを強く望んでいただろう。ところが、野党の要求は、「40日間の会期延長」だった。
「40日間」も延長すると、国会は当然越年する。それは与党が逆に断りやすい数字だろう。案の定、与党は「今後の政治的日程がタイトだ」(森山裕・自民党国会対策委員長)として、野党の要求を拒否した。
にもかかわらず、野党が引き下がったのは、世間を騒がせ続けている「桜を見る会」に関する閉会中審査に、与党が応じたからだという。それにあわせて、肝心の内閣不信任案の提出も見送ることになった。
臨時国会中の10月下旬に相次いだ2人の閣僚の辞任、11月になって問題化した「桜を見る会」といった不祥事で内閣ががたつく今の局面は、野党から見れば衆議院解散も覚悟した勝負どころだったが、腰が砕けてしまった。野党の“弱気”には、無力感さえ漂う。
それによると、安倍内閣の支持率が前月から5.2ポイント下がって49.1%になり、5割を割った。逆に不支持率は5.3ポイント上がって47.7%となった。「桜を見る会」に安倍首相が地元の支援者を招待したことについて、69%が「問題だと思う」と回答、「思わない」は25%にとどまった。また、この件での安倍首相の説明に「納得していない」は72%に達し、「納得している」は15%しかなかった。
この結果に、いつもは強気の菅義偉官房長官も9日の記者会見で、「残念ながら、国民に理解されていない」と認めるに至った。
そもそも証拠を隠滅するかのような“名簿の破棄”というとんでもない政府の対応を、世論が許すことはありえない。行政に対する国民の信頼は地に墜(お)ちつつある。「日米貿易協定などもっと大事な問題がある」という居直ったような論調も、かえって“世論の怒り”を買うかたちとなり、内閣支持率の低落につながっているように見える。
政治に対する信頼の回復こそがすべてに優先するということを、一般国民は知っているのである。
①総理大臣が、②多数の自分の支持者を、③税金を使って、④もてなした。それが、「桜を見る会」に関する一般的な認識だ。
これが“不当な認識”だというのなら、
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