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香港の警察はなぜ暴力をエスカレートさせるのか

逃亡犯条例撤回でも進む「警察都市」化

富柏村 ブロガー

警察力抜きでは維持できなくなった香港政府

 そして今年のこの逃亡犯条例をきっかけにした争乱がやってくる。林鄭長官と香港政府が強硬な姿勢を崩さないなか抗議活動はエスカレートし、警察は過激な鎮圧に動き、香港政府も警察の行動を統制するどころか評価する姿勢を続けている。政府にとっては警察の援護なしに政府が体制維持できないというのが実情だ。

 警察を上回る〈暴力装置〉は香港にも駐在する人民解放軍となるが、壊滅的な治安混乱や暴動で警察力では制圧できないような無政府状態が懸念されないかぎり、一国二制度のなかで香港の治安のために解放軍介入という選択は取れない。

 抗議活動の過激化のなか「人民解放軍の出動はない」という林鄭長官の非公式な発言が海外メディアを通して漏れているが(本人は発言を否定)、これは市民に対するメッセージであると同時に、傘下の香港警察に対する信用保障という意味合いもあると見るべきだろう。

拡大銃を構えてデモ隊を制圧する警官=2019年10月1日

 抗議活動が過激化し市民生活に深刻な支障をもたらしているにもかかわらず、抗議派の暴力を「行き過ぎ」とする世論は41.4%なのに対して、警察の武力行為が行き過ぎとする世論は

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筆者

富柏村

富柏村(ふ・はくそん) ブロガー

茨城県水戸市生まれ。1990年より香港在住。香港中文大学大学院修士課程(文化人類学)中退。フリーランスでライターもしていたがネット普及後は2000年からブログで1日もかかさず「 富柏村香港日剩」なる日記を掲載している。香港での日常生活や政治、文化、飲食など取り上げ、関心をもつエリアは中国、台湾やアジアに広く及んでいる。香港、中国に関する記事の翻訳もあり。

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