[166]那覇・パワースポット、毎日映画コンクール、衛藤晟一大臣・記者会見……
2019年12月16日
11月26日(火) 朝、起きてホテルをチェックアウト。すぐに沖縄県立中部病院へと向かう。Oさんのお見舞い。ご家族はおらず、ICU(集中治療室)の前で黙礼をして病院を辞す。高速バスに乗って那覇へ。この高速バスは快適だ。料金も960円。那覇バスターミナルで降りる。こころが落ち着かない。何でだろ? 考えてみれば、沖縄に来た時には必ず通過儀礼のように続けてきた沖縄そばを食べることを忘れていたのだ。バスターミナル近くにある沖縄そば屋さんに入ってソーキそばをいただく。
那覇バスターミナル近くにはパワースポットがあって、けっこう観光客も訪れて拝んでいく。このところ、いろいろなことがあって心身ともに弱っていたこともあり、そのパワ―スポットに行ってちからをもらうことにする。それは大きなガジュマルの樹なのであった。バスターミナル建設の際に、そのあまりに立派な樹木を切ることが忍びないと反対の声が上がって、残されたのだという。バスの歴史なんかよりも古い歴史をもつ樹木を切ることに罪悪感を覚えたことは、生き物である人間として至極まともな感覚だと思う。
早めに那覇空港に移動して、ラウンジで「週刊現代」のコラム原稿を書く。桜を見る会について。決して些事ではない。今の日本の縮図だ。すると何の偶然か、那覇在住のHさんとばったり出くわした。会いたいと思っていた人が目の前に現れた。ガジュマルのパワーのおかげか。Hさんも中部病院へOさんの見舞いに行き、その帰途で、これから仕事で神戸へ向かうところだという。結局、夕方の便に乗って羽田に戻る。
11月27日(水) 毎日新聞社主催の映画コンクールの審査員を少し前からやっていて、今日とあしたの2日は映画漬けとなる。最初の2本は、生きづらさを生きる個人に密着した作品。発達障害の男性の密着映画は、実際にどのような「障害」が現象として起きているのかを見せられて何だか考え込んでしまった。例えば、洗濯した衣類をたたむ作業が途中で長い時間中断する。衣類をたたむことの脈絡がそこで切れてしまうようにみえるのだった。そういうディテールに妙にひっかかってしまったのだ。
午後の2作品はすでにみていたので、会場は午前中で中座した。『春画と日本人』は、個人的には好きな作品だ。あいちトリエンナーレの事件の後となっては、ああいう抗い方だってあったのだと教えられる思いもした。もっとも「あいトリ」は広い意味で“政治”がテーマで、春画はもちろん“エロス”がひっかかっているのだ。
「桜を見る会」のスキャンダルが拡大の様相。取材先各所と非公式にコンタクトをとる。今回の火付け役は、共産党のしんぶん赤旗・日曜版の調査報道記事によるところが大きい。田村智子参議院議員の国会追及も見ごたえがあった。
11月28日(木) 今日も毎日映画コンクールの審査。午前中の1本はすでにみていたので午後から参入。多摩川の干潟の蟹を観察し続ける老人の作品が実に面白い。一生懸命みると疲れる。その後、合評会。オフレコなのでここではこれ以上書かない。その後、審査員の方々と人形町界隈で少々飲食。「桜を見る会」関係の取材で、明日は大臣と元大臣の記者会見2カ所に出かけることになる。
11月29日(金) 朝8時半から内閣府で消費者担当の衛藤晟一国務大臣の定例記者会見に出る。眠い。ところがこの衛藤大臣の答弁があきれるほどに無惨だった。消費者保護という観点から言えばほとんど落第点。マルチ商法のジャパンライフ元会長が2015年の「桜を見る会」に招待されていて、しかも総理枠でということだった疑いが濃厚となっているというのに
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください