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フランス人がデモやストにイソイソと参加するわけ

恵まれた老後を保障するフランスの年金制度。政府の改革案を巡り地下鉄、国鉄がスト。

山口 昌子 在仏ジャーナリスト

ストで年金改革案が潰えた前例も

 フランスでは、1995年年末にも年金制度改革案が潰(つい)えた前例がある。この時は、重労働の長距離トラックの50歳代定年の恩典廃止に対する反対が主要理由だった。国鉄、地下鉄はもとより、郵便、電気、ガス、病院など他の公共部門も連帯し、11月末に始まったストは年末まで約1カ月間続き、改革案は潰えた。

 当時の首相はアラン・ジュペ。シラク大統領が創設した右派政党・共和国連合(共和党の前身)のエースだった。高級官僚養成所の国立行政院(ENA)に加え、秀才が集まる高等師範学校(エコール・ノルマン・シュペリエル)卒の超エリートだが、まさしく「才あって徳なし」の典型。木で鼻をくくったような態度に一般国民も反感を募らせ、ストに同調して1カ月間、自転車、ローラースケート、あるいは片道5時間の長距離徒歩や数時間の渋滞に耐えて、ストを支援した。

 フィリップ首相はこのジュペの“愛弟子”で、ENAの後輩でもある。師匠の失敗が頭にあるせいか、しきりに、「自分は国民の声を聞く」と述べているが、どうなるか……

ストライキ、デモは「フランス名物」

 スト、デモは、確かに「フランス名物だ」。大小で年間平均、約3000のデモが実施されている。

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筆者

山口 昌子

山口 昌子(やまぐち しょうこ) 在仏ジャーナリスト

元新聞社パリ支局長。1994年度のボーン上田記念国際記者賞受賞。著書に『大統領府から読むフランス300年史』『パリの福澤諭吉』『ココ・シャネルの真実』『ドゴールのいるフランス』『フランス人の不思議な頭の中』『原発大国フランスからの警告』『フランス流テロとの戦い方』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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