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2020年 野党の課題/上

「政権移行期」に入った今こそ、与野党の力関係は変わりうる

木下ちがや 政治学者

立憲民主党誕生の意義と限界

 「2300万円」。この数字が、現在の野党第一党の困難をすべて物語っている。

 この数字は、2018年度の立憲民主党本部への「個人からの寄付」である。同党は2017年には、結党が10月であったにもかかわらず約3億円の個人寄付を集めていた。ところがわずか一年で寄付が10分の1以下にまで減少していたのである。

拡大街頭で演説する立憲民主党枝野代表。結党直後は熱狂的な支持者に囲まれていた=2017年10月8日、東京・新橋駅魔

 政治資金収支報告書によれば、立憲民主党の2018年党員数は約8000人、党費収入は約400万円である(同党はサポーター制度なので、それを党員とカウントしたと思われる)。それに対して日本共産党は、2018年の党員数約30万人、党費収入は約6億4000万、個人寄付約6億円である。党員数や寄付からは、政党がどの程度の活動力があるのかを推し量ることができる。国会議員数が4名で院内交渉会派を組めない社民党の党員数が約1万4000人、党費収入が約1億3000万であることから比べても、立憲民主党の組織力が著しく弱いことがよくわかる。

 立憲民主党は、希望の党から排除された旧民進系リベラルが結成した。排除への抵抗から結成された同党は有権者の注目を集め、総選挙では予想を覆す55議席を獲得し、選挙後は衆参の議員を吸収しながら野党第一党の座に昇りつめた。同党が民主党、民進党につきまとっていた「しがらみ」を廃し、野党政治を刷新していく役割を担ってきたことの意義は今日でも大きい。

 しかしながら、結党から2年余りの時間が経ち、野党第一党らしい組織的な陣地をつくりあげてきたとはとても言い難いのだ。同党の地力の弱さは、昨年7月の参院選で

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筆者

木下ちがや

木下ちがや(きのした・ちがや) 政治学者

1971年徳島県生まれ。一橋大学社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。現在、工学院大学非常勤講師、明治学院大学国際平和研究所研究員。著書に『「社会を変えよう」といわれたら」(大月書店)、『ポピュリズムと「民意」の政治学』(大月書店)、『国家と治安』(青土社)、訳書にD.グレーバー『デモクラシー・プロジェクト』(航思社)、N.チョムスキー『チョムスキーの「アナキズム論」』(明石書店)ほか。