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米国とイランから「余計なお世話」と言われた日本

安倍首相は米国とイランの仲裁役が務まると本気で考えているのだろうか?

牧野愛博 朝日新聞記者(朝鮮半島・日米関係担当)

トランプとの電話会談の主題は「イラン」

 そして、安倍首相は翌21日、トランプ米大統領と電話で会談した。

 安倍首相は会談後、記者団に対して1分ほどのぶら下がり会見で、会談で北朝鮮情勢について話し合ったことや、訪中して日中や日中韓の各首脳会談を行うことについての抱負を語った。

 当然のことながら、各メディアの日米首脳電話会談を巡る報道も、北朝鮮情勢が中心になった。

 だが、日米関係筋によれば、会談の主題はイランだったという。

 確かに、外務省のホームぺージには電話会談の模様を3項目にわたって伝えたが、イラン問題は、北朝鮮情勢、日中韓首脳会談についで最後の三番目。「この機会にロウハニ大統領の訪日の結果についても説明した」とし、中東における緊張緩和と情勢の安定化に向け,引き続き米国と緊密に連携しつつ,外交努力を続けていく」という安倍首相の言葉を紹介しただけにとどまった。

 しかし、日米関係筋によれば、この話には続きがあった。安倍首相の説明を受けたトランプ米大統領の発言だ。

 トランプ氏は「イランへの働きかけありがとう」と感謝の考えは伝えたが、続けてこうも語ったという。

 「この問題はイランに全面的な責任がある。国際社会とともにイランに対する圧力を強めていこう」

 要するに、「米イラン協議の仲介など余計なお世話だ。お前は黙って俺の後をついてくればいいんだ」と言われたようなものだ。

 トランプ氏から直接の言及はなかったようだが、捉えようによっては、米国が主導する有志連合が日本に加わらなかった事への当てつけのようにも聞こえる発言だった。日米関係筋によれば、米政府内から、ロウハニ大統領の訪日について反対こそしないものの、せいぜい「聞き置いた」程度の反応で、支持とはほど遠い冷たい反応が返ってきていたという。

拡大トランプ米大統領との電話協議を終え、記者の質問に答える安倍晋三首相=2019年2月20日、首相公邸

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筆者

牧野愛博

牧野愛博(まきの・よしひろ) 朝日新聞記者(朝鮮半島・日米関係担当)

1965年生まれ。早稲田大学法学部卒。大阪商船三井船舶(現・商船三井)勤務を経て1991年、朝日新聞入社。瀬戸通信局、政治部、販売局、機動特派員兼国際報道部次長、全米民主主義基金(NED)客員研究員、ソウル支局長などを経験。著書に「絶望の韓国」(文春新書)、「金正恩の核が北朝鮮を滅ぼす日」(講談社+α新書)、「ルポ金正恩とトランプ」(朝日新聞出版)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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