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「ポスト安倍」の動き過熱。波乱必至の20年政治

課題山積の中、「解散」できない安倍首相は影響力を維持するためどう動くのか?

星浩 政治ジャーナリスト

首相に早期解散の考えはない

 確かに当面の政治スケジュールの中で、安倍首相が解散に踏み切れるタイミングを見いだすのは難しい。

 通常国会は1月20日に召集され、6月17日まで150日間に及ぶ。景気対策を盛り込んだ19年度の補正予算案から始まり、100兆円を上回る20年度予算案と関連法案の審議が続く。途中で衆院が解散されれば、予算案も法案も廃案になってしまう。景気への影響は計り知れない。だから、通常国会が始まれば、その途中での解散は簡単ではない。そして、安倍首相側から財務省に出された指示は、「通常国会召集は20日でよい」だった。

 安倍首相に早期解散の考えはない――。20日召集が確定したことで、与野党の国会議員や霞が関の官僚たちは、そう思い定めた。

 衆院の解散は、首相の自民党総裁4選問題と密接にからむ。自民党の閣僚経験者の解説は説得力がある。

 「安倍さんが4選を狙うなら、解散・総選挙に打って出て勝利し、総裁は3選までと定めている党則の改正をめざすだろう。一方、4選を狙わないなら解散をする必要がない。いまの安倍さんに4選をめざす覇気は感じられない。そもそも、抜本的な社会保障改革も北方領土問題も憲法改正も進展のめどが立たず、4選に向けた旗印もない。だから、安倍さんによる解散もない」

首相自身が矢面に立つ「桜を見る会」

 通常国会は衆参両院の予算委員会の審議から始まる。野党の論客が次々と登場し、首相に襲いかかる。その時々のホットな問題が取り上げられる。今回はもちろん、「桜」と「カジノ」だ。

拡大2005年に開催された桜を見る会の「分野別招待者数」。首相の招待区分は「60」だった=東京都千代田区の国立公文書館
 桜を見る会をめぐっては、突っ込みどころが満載だ。安倍首相の地元後援会員約850人が、ツアーを組んで会場の新宿御苑に招待された。税金でまかなわれる会の料理や酒を堪能し、お土産ももらった。「各界で功績や功労のあった人」が招かれるはずなのに、安倍後援会のメンバーが恣意的に選ばれていた。公私混同、権力の私物化の典型であり、安倍首相も「反省」を口にした。20年4月の会は中止し、全面的な見直しを余儀なくされた。

 招待者には、マルチ商法で消費者庁から行政指導を受けていたジャパンライフの元会長も含まれていた。「首相からの招待状」を宣伝に使って勧誘していた。その経緯は不明で、安倍首相の説明責任が問われている。会の実務を担当する内閣府は招待者名簿を「遅滞なく破棄した」と繰り返す。都合の悪い文書は捨てるのかという追及が待っている。

 桜を見る会は安倍首相の主催行事であり、予算委では安倍首相本人が追及の矢面に立たざるを得ない。安倍が野党の質問に立ち往生したり、興奮して激高したりすれば、テレビはその映像を繰り返し放映する。政権のダメージとなることは間違いない。

拡大安倍晋三首相(前列中央)、昭恵夫人(z前列右から2人目)と記念撮影する「桜を見る会」の参加者=2019年4月13日、東京都新宿区

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筆者

星浩

星浩(ほし・ひろし) 政治ジャーナリスト

1955年福島県生まれ。79年、東京大学卒、朝日新聞入社。85年から政治部。首相官邸、外務省、自民党などを担当。ワシントン特派員、政治部デスク、オピニオン編集長などを経て特別編集委員。 2004-06年、東京大学大学院特任教授。16年に朝日新聞を退社、TBS系「NEWS23」キャスターを務める。主な著書に『自民党と戦後』『テレビ政治』『官房長官 側近の政治学』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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