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例年通りではない2020年政局の本当の対決構図

「疑似政権交代」と「二大政党制」。どちらが令和政治の主流になるのか?

曽我豪 朝日新聞編集委員(政治担当)

拡大ゴルフを楽しむ安倍晋三首相(手前)=2020年1月4日、千葉県袖ケ浦市

 2020年の政局を予想せよと言われて、ふと思い出したことがある。そういえば、我が朝日新聞に昔から伝わる秀逸な警句があったではないか。

 駆け出しの政治記者の頃に先輩から聞かされて、うまいことを言うものだと舌を巻き、政治部長の時には密かに座右の銘にしていた。別に社外秘でもなかろうから紹介しよう。

 ――朝日新聞にあてにならぬものが三つある。政治部長の政局観と、経済部長の景気観と、社会部長の正義感だ。

 ちょっと社会部に分が悪いのが申し訳ないのだが、ともかく分かったようなことを決め付けで言うなという有り難い教えなのだろう。分からないことは分からないと正直に言った方が良い。

数々の転換期が重なる「特異年」

 その伝に従えば、昨年暮れの政局予想記事を読んで「分からない」ことのひとつは、いかにも「例年通り」の政局論議に終始している点であった。

 通算の首相在籍日数が憲政史上最長を記録した安倍晋三首相が、さらに自民党総裁「4選」によって任期延長を手に入れるか否かが、まことしやかに議論される。「ポスト安倍」に関しては、十年一日のごとく世論調査で現れる「個人人気」に拠った下馬評が行われ、小泉進次郎氏が下がった、石破茂氏が上がったと、ほんのちょっとの数字の出し入れが、さも大ごとのように喧伝(けんでん)される。

 一方、「桜を見る会」に続いて「IR疑惑」が火を噴き、安倍内閣支持率が急落するなか、野党は森友・加計学園疑惑のときと同様、政権の命運は尽きたとばかり攻勢をかける。だが、立憲民主党をはじめ野党の政党支持率は総じて上昇機運に乗らず、来る衆院選に向けて「大同団結」が叫ばれても、政策を含めた野党連合政権構想は一向に明確な像を結ばない。

 こうした二極構造は、安倍政権下で我々が何度も目撃した現象である。ただ、だからと言って、今度もいずれは内閣支持率が回復し、株価の堅調ぶりを見極めて安倍首相が解散を断行、結局は状況をリセットするのだと、「分かったような」ことを言うつもりはない。

 なぜなら、2020年が「例年通り」であるはずもない、数々の転換期が“惑星直列”のように重なる「特異年」であると思うからだ。

 どういうことか?

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筆者

曽我豪

曽我豪(そが・たけし) 朝日新聞編集委員(政治担当)

1962年生まれ。三重県出身。1985年、東大法卒、朝日新聞入社。熊本支局、西部本社社会部を経て89年政治部。総理番、平河ク・梶山幹事長番、野党ク・民社党担当、文部、建設・国土、労働省など担当。94年、週刊朝日。 オウム事件、阪神大震災、など。テリー伊藤氏の架空政治小説を担当(後に「永田町風雲録」として出版)。97年、政治部 金融国会で「政策新人類」を造語。2000年、月刊誌「論座」副編集長。01年 政治部 小泉政権誕生に遭遇。05年、政治部デスク。07年、編集局編集委員(政治担当)。11年、政治部長。14年、編集委員(政治担当)。15年 東大客員教授

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