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驚愕! ゴーン氏の大脱走

[170]IR誘致汚職事件、留寿都村、那覇、自宅で年越し……

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

12月24日(火) 朝6時15分発の便で北海道の新千歳空港へと向かう。カジノを含むIR誘致の汚職事件取材のため。Nディレクターはすでに現地入りしている。一応、厳冬仕様はしてきたつもりだったが、千歳は小雪がちらつく天気模様。留寿都に向かう途中で、コンビニで毛糸の帽子と手袋を補充する。とても頭の部分が寒そうなので。

 今回の東京地検特捜部の捜査着手の意味が掴みきれないところがある。IR事業推進にブレーキをかけたいわけではあるまい。チンピラ国会議員への一罰百戒か。それとも日本に流入する中国マネーへの警告か。確かに中国マネーに群がった国会議員たちがいっぱいいる。留寿都村役場前でリポート。村長、および担当者は取材拒否。商工会など関係先を訪ねて回る。

 秋元司議員も家族旅行で来たというルスツリゾートホテルにも立ち寄る。ここに僕らが飛び込みで宿泊するには一人4万7000円くらいかかるとフロントで言われた。宿泊客はほとんどがオーストラリアやアメリカ、中国からの外国人客だ。驚いた。全然、日本人スキー客とかいないじゃん。外国人は気軽にインタビューに応じてくれるが、留寿都の地元の人は口が重い。唯一地元の和菓子屋さんの方に本音を語っていただいた。留寿都にウェスティンホテルがあるなんて僕は知らなかった。

ルスツリゾートは、小さなスキー場約100カ所分の広さ=留寿都村、ルスツリゾート提供ルスツリゾートは、小さなスキー場約100カ所分の広さ=北海道留寿都村 ルスツリゾート提供

 Nディレクターが頑張ってリゾート側と交渉して、リフトでゲレンデ頂上まであがってそこから撮影できることになった。スキーやスノボをはかないでリフトに乗っているのは僕らだけだ。寒い。頂上で客にインタビューしたら、オーストラリア、香港、北京からの客だった。今夜の僕らの泊まる宿がとれず、何とか押さえられた千歳市内のホテルへ。Nディレクターらとジンギスカンを食べる。

IR汚職取材、留寿都から那覇へ

12月25日(水) 朝日新聞が朝刊1面トップで「秋元代議士、逮捕へ」と打つ。3カ月近く待たされていた某国のビザがおりるとの朗報。今日は、新千歳空港から沖縄・那覇への直行便10時30分発に乗る。この便に乗るのは初めてのことだ。結構混んでいた。Nディレクターらは結局、留寿都で追加取材をすることになって残留。僕が飛行機に乗っていた4時間の間に秋元議員らは逮捕されたようだ。贈賄側で、紺野昌彦容疑者ら3人も逮捕された。中国企業の関係者と沖縄に縁のある2人だ。

 14時半に那覇空港に着くと気温が23℃もあって、留寿都と30℃くらいの気温差なのだった。一応薄手のジャケットを持ってきたが、からだの中身がついていけないのだ。空港でRディレクターらとドッキング。軽く打ち合わせて、今日中に糸数慶子前参議院議員に話を聞くことに。紺野容疑者は派手に沖縄で動き回っていて、糸数陣営の選挙運動の手伝いにも加わっていたことがあるとか。皮肉なことに糸数氏は一貫してカジノ誘致反対の急先鋒の人物だ。あしたは稲嶺恵一元知事と、沖縄で開かれたIRシンポジウムの関係者らインタビュー。

 毎日新聞のコラム用原稿を送る。伊藤詩織さん判決について書く。その後、抱瓶でHさんらと情報交換。沖縄も地元メディア(特にテレビ)関係者のなかに紺野容疑者との交流があった人が多いようだ。

12月26日(木) 今日もIR汚職取材の続き。稲嶺元知事とは沖縄県とカジノの歴史について。実はそれ以外の話の方が面白かったのだが。2017年8月のIRシンポジウムの司会をして、沖縄IR議員連盟を立ち上げ、その会長におさまった山川典二県議(自民)が取材に応じた。

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