米山隆一(よねやま・りゅういち) 前新潟県知事。弁護士・医学博士
1967年生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学系研究科単位取得退学 (2003年医学博士)。独立行政法人放射線医学総合研究所勤務 、ハーバード大学附属マサチューセッツ総合病院研究員、 東京大学先端科学技術研究センター医療政策人材養成講座特任講師、最高裁判所司法修習生、医療法人社団太陽会理事長などを経て、2016年に新潟県知事選に当選。18年4月までつとめる。2012年から弁護士法人おおたか総合法律事務所代表弁護士。
「持てる人」と「持たざる人」、個別に「人権」を設定することは可能か?
日産のカルロス・ゴーン前会長の衝撃的な逃亡事件の後、日本の司法制度のあり方や、ゴーン氏自身、そして刑事被疑者・被告人に対する議論が様々になされています。
そのなかで、1月8日にゴーン氏自身がレバノンのベイルートで記者会見を行い、
ちなみにこちらの
――【悲報】ワイ、知らぬ間に人権と尊厳が奪われる事態だった模様
というツイートは1月12日時点で3.3万リツイート、9万「いいね」と、完全に「バズった」状態で、これに対して、
――面白いです。あえて真面目に解説するとですね、人は「自分の好きな人と過ごすことを『妨げられない』権利」があるのであって、「妨げる対象がいない」人の人権と尊厳は如何に強大な国家権力をもってしても奪えません。持たざる者は最強であるということでしょうか、ええ。
とコメントした私のツイートも、1月12日時点で397リツイート、1050「いいね」と、元ツイートに比べてふた桁ほど小さいながら「プチバズり」な状況となっています。
もともとが産経新聞系列のスポーツ新聞であるサンスポが、偶然か意図的か、ゴーン氏の実際の発言からは大分ニュアンスが異なるものに「要約」して報じたことに端を発したものであるうえ、それぞれSNSで「半分冗談」としてなされている個々人の発言ではあるのですが、実のところ、この議論は期せずして「人権」というものの本質をついていると思いますので、本稿ではその点について論じたいと思います。
論座ではこんな記事も人気です。もう読みましたか?