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「デモ」と「環境」の「抗議」に揺れた2019年

国際政治の動向を振り返る

花田吉隆 元防衛大学校教授

拡大「ボリビアはノーと言う」と書かれたプラカードを持ち、デモ行進する参加者=2019年2月21日、サンタクルス、岡田玄撮影

 年の初めに当たり、改めて昨年の国際政治を振り返ってみたい。2019年とはどういう年であったか。手掛かりに二つのキーワードを考えてみよう。「デモ」と「環境」だ。

 2019年が、世界の各地でデモが荒れ狂った年として記録されるであろうことに異を唱える向きはない。香港、インド、エクアドル、チリ、ボリビア、イラン、イラク、アルジェリア、スーダン、レバノンと挙げていけばきりがない。人々は、世界中で怒りの狼煙(のろし)を上げた。何か、共通項があるのか。昨年末以降、欧米メディアは様々に議論するが、どうも、世界で吹き荒れるデモの嵐に共通項らしきものは見当たらない、というのが結論のようだ。

 実に、人々は様々な理由で立ち上がった。香港は、中国本土への犯罪人引き渡しが発端だったし、インドでは、イスラム教徒に対する不当な扱いが、ボリビアでは、現職大統領による選挙の不正がデモの発端となった。中には、公共料金のほんのわずかな引き上げが人々の怒りを招いたところもあり、チリでは、地下鉄料金の30ペソ(約4円)が人々の怒りに火を注いだ。レバノンはWhatsApp.というメッセージ・サービスへの課税が人口500万足らずの国で100万人以上を動員するデモに発展したし、イランやエクアドルは、燃料補助金の削減が引き金だった。一昨年のフランスの黄色いベスト運動も燃料税の引き上げが発端だったことは記憶に新しい。

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筆者

花田吉隆

花田吉隆(はなだ・よしたか) 元防衛大学校教授

1953年生まれ。在スイス大使館公使、在フランクフルト総領事、在東ティモール特命全権大使、防衛大学校教授等を経て、現在、早稲田大学非常勤講師。著書に「東ティモールの成功と国造りの課題」(創成社)「スイスが問う明日の日本」(刀水書房)等。

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