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蔡英文総統の歴史的勝利と台湾の輝ける民主主義

中国に強烈な「ノー」の民意。国際社会で評価の声。民主社会で対中政策を探る台湾

藤原秀人 フリージャーナリスト

拡大総統選挙の結果を伝える台湾の各紙=2020年1月11日(藤原秀人撮影)

 台湾の与党・民主進歩党の蔡英文総統が1月11日投票の総統選挙で、史上最多の800万票余りを獲得し、地滑り的な勝利を手にした。台湾の民意は統一を迫る中国にきっぱりと「ノー」と宣言したのだ。中国との融和を唱えてきた野党・中国国民党候補の韓国瑜高雄市長は惨敗した。対中政策の見直しは避けられない。

 日本や欧米諸国は民主的な選挙の成功を祝福したが、中国は「台湾地区の選挙は中国の一地方のことだ」(外務省)と突き放す。とはいえ、中国当局に台湾を大陸に引き寄せる妙案はなく、台湾海峡の政治的風波は収まるまい。

対話を呼びかける蔡総統。切って捨てる中国

 1月11日夜。歴史的勝利を果たした蔡氏は、内外メディアでぎっしり埋まった国際記者会見に臨み、中国当局に「和平」「対等」「民主」「対話」の8文字をあげ対話を呼びかけた。

 「和平とは、台湾に対する武力による威嚇を放棄すること」
 「対等とは、双方が互いの存在の事実を否定しないこと」
 「民主とは、台湾の前途は(台湾の)2300万人が決定すること」
 「対話とは、双方が未来の関係発展について話し合えること」

 そう述べた蔡氏は、中国当局に向けて「民主的な台湾と民主的に選ばれた政府が威嚇や恫喝(どうかつ)に屈服することはないと理解するよう希望する」と語った。

 これに対して、中国から前向きな反応は今のところない。政府系サイト中国台湾網の論評は、「台湾地区の1選挙は両岸が一つの中国に属するという事実を変えることはできない。『陸強台弱』の構図は拡大し、蔡英文は社会、经济、民生の矛盾を解決することはできない」と指摘。そのうえで「台湾の選挙は両岸関係に対して決定的な影響をもたらさない。両岸関係の主導権は依然として祖国大陸の手中にある」と切って捨てた。

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筆者

藤原秀人

藤原秀人(ふじわら・ひでひと) フリージャーナリスト

1980年、朝日新聞社入社。外報部員、香港特派員、北京特派員、論説委員などを経て、2004年から2008年まで中国総局長。その後、中国・アジア担当の編集委員、新潟総局長などを経て、2019年8月退社。2000年から1年間、ハーバード大学国際問題研究所客員研究員。

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