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トランプ似? 100年前のハーディング米大統領

「ベルトウェイの外」オハイオ州から見るアメリカと世界史とのかかわり(上)

梅原季哉 朝日新聞論説委員(国際社説担当)

オハイオ州とは

拡大オハイオ州
 オハイオ州は「中西部」の一角といっても、地理的には五大湖の一つエリー湖とアパラチア山脈に挟まれるような位置で、米大陸の真ん中より東寄りにあります。大きさはさほどではないものの、人口1100万人。全米7位ですからそれなりの存在感の州です。

 トウモロコシや大豆などの農業、化学や自動車関連などの鉱工業の両方が経済を支えています。ホンダが工場を置いていますが、日本人の多くにとっては比較的、縁が薄く、東海岸や西海岸の大都市のようなくっきりしたイメージを描きにくい対象かと思います。

 でも、そういう土地に視点をすえてみると、浮き彫りになることもあります。

 オハイオ州は、大統領選で全体の勝敗を左右しうる「スイング・ステート(揺れる州)」としても重要視されています。

 大統領選挙の年2020年が来ました。トランプ大統領が1月9日、今年最初の政治集会を開いたのもオハイオ州トレドでした。トランプ氏にとっては前回2016年にヒラリー・クリントン候補を上回って獲得した州の一つですが、就任から3年でオハイオ訪問は15回目ですから、いかに重きをおいているかが分かります。

 今年のお正月、私は「協調の秩序が試されている」と題して今年の国際政治を展望する社説(1月3日付朝日新聞に掲載)を担当しました。その社説で、あえて導入部の視点をオハイオ州に置いてみました。

 今年、世界で予想されるできごとの中では、なんと言ってもアメリカ大統領選が大きいのですが、トランプ政権の逸脱ぶりについてはふだんから論じているので、ただそれを繰り返すだけでは訴求力がない。地理的に少し視点をずらし、時間軸も大きくとって考えるための材料を提供してくれる、まさに格好の「場」がオハイオ州なのです。

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筆者

梅原季哉

梅原季哉(うめはら・としや) 朝日新聞論説委員(国際社説担当)

1964年生まれ。国際基督教大学(ICU)教養学部卒。93~94年、ジョージタウン大学外交学部MSFSフェロー。88年朝日新聞入社。長崎支局、西部社会部などを経て、ブリュッセル、ウィーン、ワシントン、ロンドンの特派員や、東京本社編集局長補佐を務めた。著書に『ポーランドに殉じた禅僧 梅田良忠』(平凡社)、『戦火のサラエボ100年史』(朝日選書)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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