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東洋の真珠・スリランカでいま起きている事(上)

連続爆破テロ事件で不安を強めた国民の期待担い。少数派イスラム教徒との融和はなるか

海野麻実 記者、映像ディレクター

拡大仏教徒が大半のスリランカでは少数派のイスラム教徒人口の約10%に満たないがその存在感は年々増している=2019年4月、スリランカ・コロンボ(筆者撮影)

 東洋の真珠と称えられる美しき国、スリランカ。

 内戦を超え、平和が訪れていたかのように見えたこの国で昨年4月に発生した、連続爆破テロ事件では、日本人一人を含む250人以上もの犠牲者が出た。

 国内でひそかに活動を広げていたイスラム過激派による犯行であることが発覚したが、平穏な仏教の国に何が起きているのか。昨年11月に行われた大統領選挙から、今後のスリランカの行方を上・下で読み解きたい。

内戦を終結に導いた“英雄”が大統領に

 インド洋の島国スリランカで2019年11月16日、5年の任期満了に伴う大統領選が即日開票され、ゴタバヤ・ラジャパクサ元国防次官(70)が、内戦時代に暗殺された大統領の息子であるスリランカ統一国民党(UNP)のサジット・プレマダーサ氏(52)を制して、得票率52%超で勝利をおさめた。

 ゴタバヤ氏といえば、政府軍と主にヒンズー教徒で独立を訴えた少数派タミル人の反政府勢力との26年間に及んだ内戦時に、国防次官だった人物だ。2009年に内戦を終結に導いた“英雄”として、国民の人気も高い、マヒンダ・ラジャパクサ元大統領は兄に当たる。

 選挙戦は白い衣装に赤い肩掛けが象徴的なマヒンダ元大統領を常に傍に伴い、共に戦った。内戦時代の虐殺関与説や汚職疑惑がある一方で、ラジャパクサ一族の人気は衰えを見せない。人口の75%ほどを占める主に仏教徒のシンハラ人の熱烈な支持を背景に、過半数の得票を獲得。ラジャパクサ一族の政権返りを実現した。

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筆者

海野麻実

海野麻実(うみの・まみ) 記者、映像ディレクター

東京都出身。2003年慶應義塾大学卒、国際ジャーナリズム専攻。”ニュースの国際流通の規定要因分析”等を手掛ける。卒業後、民放テレビ局入社。報道局社会部記者を経たのち、報道情報番組などでディレクターを務める。福島第一原発作業員を長期取材した、FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『1F作業員~福島第一原発を追った900日』を制作。退社後は、東洋経済オンラインやForbes、共同通信47Newsなどの他、NHK Worldなど複数の媒体で、執筆、動画制作を行う。取材テーマは主に国際情勢を中心に、難民・移民政策、テロ対策、民族・宗教問題など。現在は東南アジアを拠点に海外でルポ取材を続け、撮影、編集まで手掛ける。取材や旅行で訪れた国はヨーロッパ、中東、アフリカ、南米など約40カ国。

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