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山本太郎代表も掲げる「反緊縮」の正体とリスク

財源確保は税金と国債のどちらによるべきか? 野党や保守系で錯綜する議論の結論は

米山隆一 前新潟県知事。弁護士・医学博士

「後始末する義務」を先送りする「村債」

 ただし、「その後」に目を転じると、異なる点が2点あります。

 まず、極めて明白なことですが、5年後の2025年に村役場は、Cさんに米2俵を返さなければなりません。5年後の2025年においても「現在」と変わらずAさんは2俵しかとれず、Bさんは5俵、Cさんは10俵とれるのだとしたら、村役場は、
①Aさん、Bさんから米2俵を年貢として取って(Aさん、Bさんは生活がギリギリなので、国債は買ってくれません)、Cさんに返す、
②Cさんから年貢2俵をとって2俵返す、
③Cさんに追加で2俵分の村債を買ってもらって2俵返す(村債の借り換え)、
のどれかの手段をとらなければなりません。

 別の言い方をすれば、「現在」においては、年貢(税金)であれ村債(国債)であれ、「Cさんから1俵貰ってAさん1俵渡す」ことになんの変りもないのですが、5年後になると、村債(国債)の場合は、①Aさん、Bさんから2俵分の税金を取るか、②Cさんから2俵分の税金を取るか、③Cさんから返済分を含めて3俵の村債(国債)を買ってもらう必要が生じるのです。

 「国債は国民の資産だから、増えても大丈夫だ(むしろ増やすべきだ)!」という主張は、冒頭で紹介した山本太郎氏の論考をはじめ、「反緊縮派」からよく聞きます。

 たしかに、村債(国債)がCさんの資産であること(少なくともCさんが資産だと思っていること)自体はその通りです。しかしそれは、

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筆者

米山隆一

米山隆一(よねやま・りゅういち) 前新潟県知事。弁護士・医学博士

1967年生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学系研究科単位取得退学 (2003年医学博士)。独立行政法人放射線医学総合研究所勤務 、ハーバード大学附属マサチューセッツ総合病院研究員、 東京大学先端科学技術研究センター医療政策人材養成講座特任講師、最高裁判所司法修習生、医療法人社団太陽会理事長などを経て、2016年に新潟県知事選に当選。18年4月までつとめる。2012年から弁護士法人おおたか総合法律事務所代表弁護士。

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