[172]ベイルート、ゴーン会見場、革命広場、テヘラン、バザール……
2020年01月22日
1月8日(水) ベイルートは朝から雨模様。時折雨足が強くなって傘がないと困るくらいだ。イランがアメリカ軍基地に報復ミサイル攻撃。ゴーン氏(被告)の友人で人気テレビ司会者のリカルド・カラム氏にインタビュー。海の見える地区にとても立派な事務所を構えている。オフィスで英語でインタビュー。彼はゴーン信者に近い。今日の記者会見にも行くという。最初に40分くらいゴーン氏がステートメントを発表して、その後Q&A。全部で3時間くらいではないかという。日本のメディアが締め出されている旨を伝えると、それはよくないとは一応言っていたが。
記者会見の行われる建物には報道陣が集まって大変な混乱ぶりだ。とにかく僕らは中に入れない。入り口で名簿を見ながら警備の人間がチェックしている。テレビ東京の名前が名簿に載っていた。全部で優に100人を超える報道陣が中に入っているのを見ながら雨に打たれて外で待機していることになる。
中の会見での発言をアイフォンでチェックしながら2時間20分の会見の終わるのを待っていた。寒い。会場の隣のカーディーラーの店員があったかい紅茶を僕らを含む報道人たちに差し入れしてくれた。胃袋に紅茶がしみた。「時代錯誤的で非人間的な日本の司法システム」「ミッション・インポッシブルを成し遂げた。これから汚名を返上する」などとまくし立てていた。かつてのゴーン氏の強い姿が戻ってきたようだった。日産の旧経営陣の実名は挙げたが、レバノンと日本の関係を悪化させたくないなどと言って、事件の背後にいるとされた日本政府関係者の名前は挙げなかった。
レバノンの夜のニュース番組がどう伝えたかをモニターしたが、それほどの大きな扱いではなく、やはりイラン情勢がトップで伝えられていた。それにしても、会見に入った日本メディアが、朝日新聞、テレビ東京、小学館の3社のみという「選別」に何を読み取るか。調べてみよう。
ネットで舞踏家の大野慶人さんの死去を知る。何年も前に『筑紫哲也NEWS23』でお父様の大野一雄さんの特集を作った際に慶人さんにインタビューなどで大変お世話になった。ご本人も舞踏を継承してスタジオで教えていらした。近年はお会いしていなかったが、永眠の報に、大野慶人さんの遺徳に感謝のみ。
午前10時からゴーン氏を検察に訴えたアリ・アッバス弁護士のインタビュー。レバノンでは1955年にできた国内法でイスラエルへの訪問・取引が禁止されている。ちょうどインタビューをしている今、
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