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韓国留学しても独島も竹島も知らない日本人

東京五輪から原発、メーガン妃から日本の皇室まで、春節にいろいろ考えた

藏重優姫 韓国舞踊講師、仁荷工業専門大学語学教養学科助教授

本名を名乗る勇気

 この間、色々観てきた中で共通することが、もう一つ。

 「意志」ある者は組織社会や団体から煙たがられるという事である。意志ある者は疑いをかけられ、その疑念が裏切りだと風潮され、失脚する。だから、脳ある鷹も爪を隠すのか。トンビのふりをして生き残ろうとするしかないのか。

 「真実」を求める「意志」があるかどうかが、良いも悪いも大きな岐路となる。

 在日が本名を名乗るかどうかという問題。1970年代から在日運動の中では中心的な問題の一つであった。これも、「真実」を見るかどうかに似ている気がする。

 本当は韓国・朝鮮名なのに、日本風の名前。もちろん、一世たちがそうせざるをえなかったことは重々承知している。

 私が大学時代、1990年後半、だから在日青年もほとんど3世の時代だ。「本名を名乗る」ことに関してのシンポジウムで、私はもともと日本名なので、外野的に扱われていたのだが、最後に意見を求められ、「本名を名乗ることは少なくとも勇気のいることだと思います」と言ったら、「ほう~」とシーンとなったことを思い出す。

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筆者

藏重優姫

藏重優姫(くらしげ・うひ) 韓国舞踊講師、仁荷工業専門大学語学教養学科助教授

日本人の父と在日コリアン2世の間に生まれる。3歳からバレエ、10歳から韓国舞踊を始め、現在は韓国にて「多文化家庭」の子どもを中心に韓国舞踊を教えている。大阪教育大学在学中、韓国舞踊にさらに没頭し、韓国留学を決意する。政府招請奨学生としてソウル大学教育学部修士課程にて教育人類学を専攻する傍ら、韓国で舞台活動を行う。現在、韓国在住。日々の生活は、二児の子育て、日本語講師、多文化家庭バドミントンクラブの雑用係、韓国舞踊の先生と、キリキリ舞いの生活である。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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