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百年の老舗・中国国民党よ、どこへ行く?

台湾総統選の惨敗で改革委員会が発足。「兄弟」中国共産党との関係見直しが課題

藤原秀人 フリージャーナリスト

 台湾の総統選挙で惨敗した中国国民党が党の立て直しに動き出した。

 「戦犯」と批判された呉敦義・党主席は責任をとり辞意を表明。新しい主席は3月初めにも党員選挙で選ばれる。総統選の焦点となった中国との関係のあり方などを探る「改革委員会」も発足し、改革案を新主席に提起することになった。

 次の総統選は4年後だ。1919年に孫文らによってつくられ、党名になお「中国」を掲げ、党内に根強い大陸シンパを抱える老舗は、それまでに対中路線を改革することができるのだろうか。前途は容易でない。

拡大台湾総統選。マイクを握り「敗北宣言」をする国民党候補の韓国瑜氏(中央)=2020年1月11日夜、高雄市

一大ブームを巻き起こした庶民派・韓国瑜

 1月11日の総統選で、与党・民主進歩党は現職の蔡英文氏が国民党の韓国瑜・高雄市長に圧勝して再選を決めただけでなく、国会に相当する立法院でも過半数を維持した。選挙戦の最中、私は台湾のあちこちを巡り、集会や遊説を見て回った。総統候補を追いかけるだけでなく、立法院選の話題の選挙区にも出かけた。

 実は、2018年11月の統一地方選挙の時も、私は台湾に入って選挙戦を見ている。この時は今とまったく雰囲気が違っていた。なかでも韓氏の勢いには驚かされたものだ。スキンヘッドに軽妙な語り口、有権者の目をじっと見て手を握り締めた直後、満面に浮かぶ笑み。その庶民性が受け、一大ブームを巻き起こしていたのだ。

 南シナ海での石油採掘など、公約の中身は途方もなかった。ただ、これは台湾の選挙キャンペーンでは、さほど珍しいことではない。当初は泡沫候補扱いだった韓氏は、文字どおり「韓流」ブームを巻き起こし、民進党の牙城だった高雄市の市長を20年ぶりに奪還しただけでなく、他の地方選の国民党候補も後押しした。

 結局、統一地方選で国民党は民進党に圧勝、蔡総統は党主席を引責辞任した。

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筆者

藤原秀人

藤原秀人(ふじわら・ひでひと) フリージャーナリスト

1980年、朝日新聞社入社。外報部員、香港特派員、北京特派員、論説委員などを経て、2004年から2008年まで中国総局長。その後、中国・アジア担当の編集委員、新潟総局長などを経て、2019年8月退社。2000年から1年間、ハーバード大学国際問題研究所客員研究員。

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