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沖縄の米軍基地から漏れ出す「永遠の化学物質」

米国内では至上命題と位置付けられているのに、沖縄では放置されている環境汚染(上)

島袋夏子 琉球朝日放送記者

永遠の化学物質(フォーエバーケミカル)

 ピーフォス(PFOS)、ピーフォア(PFOA)とは、どんなものなのか。

 撥水性や撥油性が高く、フッ素樹脂加工のフライパンや、ファストフードの包み紙、電子レンジ調理用ポップコーンの袋、絨毯、衣類、そして半導体の部品など、私たちの生活のあらゆる場面で多用されている。

 だが一度体内に取り込まれると分解されにくく、蓄積されてしまう。そのため「フォーエバーケミカル(永遠の化学物質)」と呼ばれている。

 国内外の研究では、肝臓疾患や、コレステロール値の上昇、妊婦の高血圧、低体重児出産などの可能性が考えられている。

 また、ピーフォスについては2009年、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)で、将来的な廃絶に取り組んでいくことが決定された。

 国内では2010年、化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)で、半導体など不可欠用途以外での製造や輸入が禁止されている。

 一方、ピーフォアについては、世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関(IARC)が、動物に発がんの恐れがあると指摘している。近く国内でも規制される見通しだ。

 しかしいつ、どこで、そんな有害とされる化合物が取水源に入り込んだのか。

 沖縄県企業局が汚染源を「アメリカ軍基地内」だと考えたのは、取水源となっている河川や井戸群で実施した水質調査の結果からだった。

汚染源はアメリカ軍基地の中

 実は、日本国内にはまだピーフォス、ピーフォアに関する飲料水の規制基準が定められていない。だから沖縄県は、アメリカ環境保護局(EPA)が定めている、飲料水の健康勧告値を参考にしている。

 アメリカでは飲料水1リットルあたりに含まれるピーフォスとピーフォアの合計を70ナノグラム(ナノは10億分の1)以下と設定している。では、7市町村45万人に関わる取水源はどうなっているのか見ていきたい。

拡大取水源の位置とピーフォス/ピーフォアの最大値

 特にピーフォス、ピーフォアの濃度が高かったのが、アメリカ軍嘉手納基地内の滑走路脇を流れる大工廻川(だくじゃくがわ・地図右)だった。

拡大嘉手納基地のフェンス沿いを流れる大工廻川 提供:琉球朝日放送

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筆者

島袋夏子

島袋夏子(しまぶくろ・なつこ) 琉球朝日放送記者

1974年沖縄県生まれ。琉球大学法文学部卒業。早稲田大学大学院政治学研究科修了。 山口朝日放送で約10年勤務したのち、2007年に琉球朝日放送入社。米軍基地担当などを経て、現在はニュースデスク、調査報道担当。2014年「裂かれる海~辺野古 動き出した基地建設~」で第52回ギャラクシー賞番組部門大賞、2016年「枯れ葉剤を浴びた島2~ドラム缶が語る終わらない戦争~」で日本民間放送連盟賞テレビ報道部門最優秀賞、2017年石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞公共奉仕部門奨励賞など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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