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拡大1月31日午後11時過ぎ、ロンドン中心部の英議会前広場で、英国旗の模様のスーツ姿でEU離脱を祝う男性ら=ロンドン、石橋亮介撮影

 統合は、異なったものを一つにまとめ上げ統一体を目指す。

 統合がうまく進めば異なったものは互いに「調和」し、うまくいかなければ「対立」する。統合が統合たる所以(ゆえん)は、統一体が、異なったものの単なる総和でないことだ。1+1=2ではない。10にも20にもなる。異なったものが互いに相乗効果を及ぼし、単なる総和以上の結果を生む。これが統一体の活力の源泉になる。EUは「多様性の中の統合」を旨とする。異なったものを同じものにすることは考えていない。「違いを違いとして残す」、その中から10にも20にもなる結果を引き出そうというのだ。逆に、異なったものが対立する時、1+1=2ですらなくなる。しかし、対立するものを除去すればそれでいい、というものでもない。

 欧州では、統合の前から、この「異なったものの存在」によるいい面と悪い面が併存し、その歴史を織り成してきた。欧州で、何故、科学が発達し産業が一大飛躍を遂げたか。一説では、あの決して広いとはいえない領域に、多くの主権国家が併存し互いに競争し覇を競い合ったからだ、という。逆に、悪く作用した結果は「戦争の欧州」として顕在化した。

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筆者

花田吉隆

花田吉隆(はなだ・よしたか) 元防衛大学校教授

1953年生まれ。在スイス大使館公使、在フランクフルト総領事、在東ティモール特命全権大使、防衛大学校教授等を経て、現在、早稲田大学非常勤講師。著書に「東ティモールの成功と国造りの課題」(創成社)「スイスが問う明日の日本」(刀水書房)等。

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