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検察人事に待った!奇怪な黒川東京高検検事長の定年延長

政権に都合のいい恣意的な人事・法解釈がまかり通るようだと国家社会は成り立たない

田中秀征 元経企庁長官 福山大学客員教授

拡大黒川弘務・東京高検検事長=2019年1月21日、東京・霞が関の検察庁

 新型コロナウイルスや新型肺炎の感染が世間の耳目を集めていた1月31日、安倍晋三内閣は東京高検の黒川弘務検事長の任期を、特例として半年間延長することを閣議決定した。

突然の定年延長に批判の声

 この奇怪な決定に対し、世論、メディアはもとより、検察の内部からも無効、あるいは違法ではないかという厳しい批判の声が上がっている。

 検察庁法によると、検察トップの検事総長の定年は65歳で、ナンバーツーの東京高検検事長以下の検察官の定年は63歳と定められている。この閣議決定によって、本来なら2月7日の誕生日に63歳になり、定年で退任するはずの黒川氏が、8月7日まで在任できることになった。

 森雅子法相は2月3日の衆院予算委員会で野党の質問に答え、「東京高検管内で遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査公判に対応するため」と説明したが、かつてないこの閣議決定に関する説明としては、あまりにも粗雑で説得力に欠ける。「重大かつ複雑困難事件」は常に存在しているだろう。むしろ、この答弁によって、閣議決定に込められた“真の意図”について、さらに不信感が強まった。

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筆者

田中秀征

田中秀征(たなか・しゅうせい) 元経企庁長官 福山大学客員教授

1940年生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒。83年衆院選で自民党から当選。93年6月、自民党を離党し新党さきがけを結成、代表代行に。細川護熙政権で首相特別補佐、橋本龍太郎内閣で経企庁長官などを歴任。著書に『平成史への証言 政治はなぜ劣化したのか』(朝日選書)https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20286、『自民党本流と保守本流――保守二党ふたたび』(講談社)、『保守再生の好機』(ロッキング・オン)ほか多数。

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