[175]植松聖被告に面会、米アイオワ州・デモインの党員集会、シカゴ……
2020年02月22日
1月29日(水) 朝から夕方まで早稲田大学でびっしり7人分の修士課程の口頭試問。学生たちのなかには何故か正装してくる人も多い。この口頭試問には不思議な儀式という側面がある。普段着で来ればいいのになと思う。
毎日新聞のコラム締め切り。コロナウイルス禍のメディア報道について書く。夕方、日本記者クラブで「サンデー毎日編集長を励ます会」というのに出たが、短時間で辞去し、局でカルロス・ゴーン氏の件、植松聖被告の件で論点整理。
1月30日(木) 朝、横浜拘置支所で、相模原の津久井やまゆり園事件の植松被告に面会に行く。この日誌にはこの件はあんまり具体的に記さなかったが、実はこれが2度目の面会だ。一度、ドタキャンされたこともある。今回は『創』の篠田博之編集長と、作家の雨宮処凛さんが一緒だった。
久しぶりに会った植松被告は片手に大きな手袋のよう覆いをしていて自傷行為で指の先端を捨てて、残りの縫合手術をしたと言っていた。少なくとも犯行に全く後悔がない。究極の確信犯である。死刑判決は「受け入れる」と言っていた。
彼がどういう人物なのか、僕は全く理解できていない。犯行前日に東京のホテルに投宿して、デリヘル嬢を呼んでいたことを聞くと「せっかくでしたので」と言うのみ。一番好きな漫画家は大友克洋だとは前回面会した時に聞いていたが、一番好きな歌手は?と聞くと、ブルーハーツときゃりーぱみゅぱみゅ。一番好きな本は?と聞くと、秘密結社「イルミナティ」に関する本とか『闇金ウシジマくん』の最終巻がどうのこうのとか言っていた。篠田さんは被害者への謝罪表明にこだわっていた。午後、KADOKAWAで打ち合わせ。
1月31日(金) アメリカ大統領選挙の「予習」を若干。アイオワ・コ―カス(党員集会)から始まる4年前の記憶をたぐる。新型コロナウイルス禍、中国での被害が拡大している。パンデミックになるのだろうか。一般的に、病気にどう対処するかには国民性がよくあらわれる。病人の治療をとにかく最優先する国、病人をまずは封じ込める国、病人の出た地域を隔離遮断する国。日本で発生した場合、どうなるのか。考えるだけで怖ろしい。
ちょうど大矢英代さんが『沖縄「戦争マラリア」――強制疎開死3600人の真相に迫る』を出版するタイミングと重なった。戦争中、沖縄では日本軍が住民を強制移住させて結果的にマラリアに罹患させて多くの住民の命が奪われた。権力には病をつくる作用がある。特に
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