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「サブスク」が世界を変える

「所有=法律」から「利用=コード」へ

塩原俊彦 高知大学准教授

 いま時代は「サブスクリプション」(subscription)花盛りである。この略して、「サブスク」という言葉は「定期購読」から派生して、「一定期間に利用可能な権利に対して支払いをする」ビジネスモデルを意味するようになっている。

「ストリーミング」の拡大

拡大Ivan Marc / Shutterstock.com

 サブスクの事例をいくつか紹介してみよう。音楽では、Spotify、Apple Musicなどが有名だ。動画サイトには、Netflix、Hulu(フールー)、dTV、Amazon Primeなど、マンガや本などの購読向けには、Kindle Unlimited、dマガジンなどがある。ゲームでは、PlayStation Now、PlayStation Plusのほか、Nintendo Switch Online、Apple Arcadeなどがある。これらのサービスの多くは、コンテンツをダウンロードしながら逐次再生する「ストリーミング」と呼ばれる方式で提供されている。

 これらのサブスクは、現物としての本や雑誌、CDやゲームソフトなどの販売量の激減をもたらし、既存の産業形態の衰退を招きつつある。スマートフォンやPCを通じた電子情報としてサービス提供できるので低コストで大量の顧客を獲得できるため、こうした分野でのサブスクはさらに加速度的に拡大するだろう。

 この分野での最大の関心事は、テレビの今後だ。すでに、NHK、民放ともにオンデマンドサービスをサブスクでも提供しているが、Hulu、Amazon Primeなどにアクセスすれば、いつでもテレビ番組を見ることができる時代になりつつある。もはやテレビ局ではなく、優れたコンテンツが選択される時代に突入している。その際、競争相手は日本だけではなく世界中のコンテツであり、日本のテレビドラマは海外ものに太刀打ちできそうもない。

 個人的な体験を記すと、筆者はAmazon Primeでビデオ鑑賞をする機会がある。米国の「ブラインドスポット」といった作品を観てしまうと、もう日本のドラマなど、ばかばかしくて観るに値しないように思えてくる。BBCのドラマはNHKのドラマの低レベルを強く印象づけてくれる。俳優の「格」で犯人が透けて見える日本の映画・ドラマは興ざめだが、海外の優れた作品にはこんな心配はない。しかも、脚本のレベルも雲泥の差がある。

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

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