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新型コロナで非常事態。前面に出た安倍首相がするべきこと

検事長定年延長や「桜を見る会」で急速に目減りする支持の反転こそが急務

田中秀征 元経企庁長官 福山大学客員教授

拡大記者会見に臨む安倍晋三首相=2020年2月29日、首相官邸

 「文化・スポーツイベントの自粛」に続いて「全国すべての小中高校の休校要請」。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相が打ち出す国民に対する“思い切った”要請に、日本列島が揺れている。

 人々の日常活動は萎縮し、生活防衛のため日用品の買いだめもはじまった。スーパーなどの棚が空になる光景からは、1973年の石油ショックが思い出される。ただ、あのときは経済不安だけで、命の危険を感じる健康不安ではなかった。その意味で、石油ショックを超える難局である。

非常事態を乗り切るための二つの条件

 今回の首相の決断については、内容についても、時機をめぐっても、さまざまな異論、批判がある。行き過ぎ、あるいは空回りといった事態にならないか、不安は募るばかりだ。

 そもそも、非常事態を乗り切るためには、二つの絶対的条件が必要だ。

 ひとつは、“司令塔”である政権担当者が、国民から圧倒的に信頼されていることだ。そしてもうひとつは、発する指令の内容が大半の人を納得させ得ることである。

 残念ながら、その点では、現状は条件が満たされているとはとうてい言い難い。とりわけ、司令塔たる安倍首相への支持がこのところ急激に下落しているのが気がかりだ。

 ひょっとすると今回の一連の要請は、低落した支持の回復を期待して行われているのだろうか。もしそうだとすれば、効果はむしろ逆になる可能性がある。

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筆者

田中秀征

田中秀征(たなか・しゅうせい) 元経企庁長官 福山大学客員教授

1940年生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒。83年衆院選で自民党から当選。93年6月、自民党を離党し新党さきがけを結成、代表代行に。細川護熙政権で首相特別補佐、橋本龍太郎内閣で経企庁長官などを歴任。著書に『平成史への証言 政治はなぜ劣化したのか』(朝日選書)https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20286、『自民党本流と保守本流――保守二党ふたたび』(講談社)、『保守再生の好機』(ロッキング・オン)ほか多数。

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