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新型コロナウイルス対策で臨時休校を要請した安倍首相の支離滅裂

何の準備もなく唐突に始まった「超巨大国家プロジェクト」はおかしいところだらけ

米山隆一 前新潟県知事。弁護士・医学博士

「児童における全国的な感染症の流行」は存在しない

 とはいえ、例えば児童の間で新型コロナウイルスを疑わせる症状の感染症が蔓延(まんえん)し、「感染の拡大防止」のため、全国で「一斉休校」が望まれるのに、全国の市町村・都道府県の教育委員会が休校を決断できないなどの状況で、感染症の専門家らの意見を聞いたうえで、会議体からの「勧告」などのかたちで休校を求めるのであれば、「高度に専門的見地からの要請」として正当化できる余地もあると思います。

 しかし、患者が多く発生している北海道などの一部地域を除き、今年は例年に比べてインフルエンザの患者も少なく(国立感染症HP)、「児童における全国的な感染症の流行」の報告は聞かれませんし、知るうる限りその様な発表をしている政府機関もありません。また、新型コロナウイルス問題について専門家の立場から政府に助言する「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」も、「一斉休校」に関して一切議論をしていないことを認めています(BuzzFeed2月28日)。

 総理は27日の新型コロナウイルス感染症対策本部においても、29日の記者会見においても、具体的な根拠を示すことなく、「ここ1、2週間が極めて重要な時期であります」と断定的に述べていますが、その前提となるはずの「児童における全国的な感染症の流行」が存在しないのです。

感染拡大のリスクは高くない学校

拡大首相官邸で開かれた新型コロナウイルス感染症対策本部の会合=2020年2月27日、首相官邸

 総理は27日の新型コロナウイルス感染症対策本部で「多くの子どもたちや教職員が、日常的に長時間集まることによる感染リスクにあらかじめ備える」とし、29日の会見でも「学校において子供達に集団感染の様な事態を起こしてはならない」と強調しています。しかし、

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筆者

米山隆一

米山隆一(よねやま・りゅういち) 前新潟県知事。弁護士・医学博士

1967年生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学系研究科単位取得退学 (2003年医学博士)。独立行政法人放射線医学総合研究所勤務 、ハーバード大学附属マサチューセッツ総合病院研究員、 東京大学先端科学技術研究センター医療政策人材養成講座特任講師、最高裁判所司法修習生、医療法人社団太陽会理事長などを経て、2016年に新潟県知事選に当選。18年4月までつとめる。2012年から弁護士法人おおたか総合法律事務所代表弁護士。

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