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木内みどりさんを語る会で感じた寂しさ

[177]木内みどりさんを語る会、毎日映画コンクール、済生会有田病院……

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

2月12日(水) 午前中「報道特集」の定例会議。きのうが祝日で水曜日の開催。午後からKADOKAWAとの打ち合わせ。あしたの正午から議員会館で行われる予定のテレ朝・報道ステーション派遣スタッフの雇用終了通告問題に関する院内集会「『報ステ』を問う」が、木内みどりさんを語る会(お別れの会)と時間的にもろに重なってしまうので、院内集会にはビデオメッセージを送ることにした。そのビデオ収録をする。報ステで起きていることは他人事ではない。

 ニューハンプシャー州の民主党予備選でもバイデンが失速。サンダース、ブティジェッジの順番。これであのトランプに勝てるのかな。

2月13日(木) 11時30分から国際文化会館で「木内みどりさんを語る会」。平服でお越しくださいとのお知らせを受け取っていたが、服装に困った。派手ではない茶の地味なジャケットを着て出かけた。午後には毎日映画コンクールの受賞式があるし。やはり案の定、黒っぽい喪服に近い装いの人々が多かった。間違ったかなあ。それにしてもこの人数。故人の人柄がなせる集まり。本当にたくさんの方々が木内さんを偲んで訪れていた。水野誠一さんからの御依頼で、僕も呼びかけ人の一人に名前を連ねさせていただく光栄をどのように表現したらいいのか。

故・木内みどりさん=2015年拡大故・木内みどりさん=2015年

 午前11時半からの第一部は、故人にゆかりのあった映画界や芸能界、出版文化関係の人々が多かった。あまりに多くの人がいたので、集中して話を聞けなかったが、故人の友人でもあった桃井かおりさんの挨拶が心に残った。「本当は私がみどりさんより順番では先に孤独死していたはずだったのよね。それが私も最近結婚して、本当にみどりさんが喜んでくれた。孤独死しなくて済むねって」というような悲しいユーモアに富むような趣旨のお話だったけれど、親友じゃないと言えない話しぶりだったように僕には聞こえた。桃井さんとお会いしたのは本当に久しぶりのこと。橋口譲二さんが関係していた『ファザーファッカー』(確か原作が内田春菊)という映画の時に何故かお茶したことを勝手に覚えている。会場では桃井さんは旦那さんとご一緒だった。イッセー尾形さんや樹木希林さんの名前がどういう文脈でかわからないが、出ていたなあ。

 とにかく大勢の人・人・人。鎌田慧さんや松元ヒロさん、森達也さんら知った顔がチラホラ。それから会場で澁澤龍子さんにもお会いできた。『龍彦親王航海記 澁澤龍彦伝』(礒崎純一著、白水社)という本が評判を呼んで売れているらしい。読まなきゃ。急遽駆けつけた山本太郎は、挨拶をし出したら、言葉に詰まって、文字通り涙を噴き出していた。

 故人を偲ぶとは一体何をしたらいいのだろうか。多くの人が、みどりさん、最後までカッコいい、自由な人だったと称賛していたけれど、僕自身は置いてきぼりをくらったような気持ちで、何だか一人になりたいような気分だった。ものすごい寂しさに襲われた。ご遺族の気持ちはいかほどだろうか。

 その後、川崎市のミューザで毎日映画コンクールの授賞式。審査に多少関わったので出席した。何だかいかにも大時代風のセレモニーだが、毎日映画コンクールは、受賞者や作品が他の映画賞とはちょっと位相が違っていて面白い。日本映画大賞は『蜜蜂と遠雷』、外国映画ベストワン賞は『ジョーカー』だった。男優助演賞に吉沢健さんが選ばれていた。若松孝二の初期ピンク映画の頃から何故か知っているのだ。そして女優主演賞は『新聞記者』のシム・ウンギョン。ちょっとびっくり。授賞挨拶はとても好感がもてた。

 『Journalism』誌への原稿。何を書くか迷ったが、コロナウイルス禍が現在進行形でまだ動いているので、結局、「カルロス・ゴーン『大脱走』報道の陥穽」で行くことにする。コロナウイルスの感染が和歌山の病院勤務の医師にまで広がったことから、明朝、急遽和歌山に行くことになる。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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