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南スーダン野球団の練習に女子が。広がる女子ソフトへの夢(動画あり)

野球人、アフリカをゆく(24)セカンダリースクール野球セミナーの思わぬ効果

友成晋也 一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構 代表理事

「ウガンダでは野球が盛ん」にざわつく生徒たち

 私は背筋を伸ばし、「改めて、みなさん、サラーマレコン(こんにちは)!ようこそベースボールセミナーへ!」と声のトーンを上げ、すべての生徒たちの耳に届くよう、腹に力を入れて野球紹介から始めた。

 「みなさんが野球を知らないことは無理もありません。この国の野球は始まったばかりですから。でも、2020年の東京オリンピック競技種目なんです!」。そう言っても、生徒たちの反応は、ふーん、それがなんなの、という感じ。

 4年に1回のオリンピックは、日本では社会的関心が高いが、それは日本が多くの競技種目に参加し、メダルも多くとるスポーツ大国だからだ。南スーダンに限らず、多くのアフリカの国は、さほど多くの競技に参加できるわけではなく、陸上やサッカーなど、限られたスポーツになってしまうし、陸上を除いてメダルをとるような競技は極めて少ない。しかもテレビが家庭に十分普及しているわけでもないので、観る機会も少ない。オリンピックと言っても、どこか他人事のような存在なのだ。

 こういうときは、やはり身近な話に持っていくに限る。

 「野球はアフリカを除いて、世界に広がっているスポーツです。南北アメリカ、アジア、ヨーロッパ。たいていの国に野球はあります」

 そうなのだ。野球連盟は世界124カ国にある。しかし、連盟があることと普及していることは必ずしもリンクしていない。名前だけの連盟が多く、野球人口はわずかな国がほとんどだ。

 「アフリカには野球がほとんどありません。一番強い国は南アフリカです。2番目はどこだかわかりますか?」と、わかるはずないのを承知でききつつ、「それはね、ウガンダなんですよ。ウガンダでは野球がとても盛んで、多くの学校に野球クラブがあります」と隣国の事情を話す。これを聞いて、生徒たちがざわついた。

拡大セミナーは3人(ピーター、ウィリアム、友成)の自己紹介と野球の説明でスタート

アフリカにおける隣国との関係

 少し話がそれるが、アフリカにおける隣国との関係性を解説したい。

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筆者

友成晋也

友成晋也(ともなり・しんや) 一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構 代表理事

中学、高校、大学と野球一筋。慶應義塾大学卒業後、リクルートコスモス社勤務を経てJICA(独立行政法人国際協力機構)に転職。1996年からのJICAガーナ事務所在勤時代に、仕事の傍らガーナ野球代表チーム監督に就任し、オリンピックを目指す。帰国後、2003年にNPO法人アフリカ野球友の会を立ち上げ、以来17年にわたり野球を通じた国際交流、協力をアフリカ8カ国で展開。2014年には、タンザニアで二度目の代表監督に就任。2018年からJICA南スーダン事務所に勤務の傍ら、青少年野球チームを立ち上げ、指導を行っている。著書に『アフリカと白球』(文芸社)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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