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資本主義は変貌したか

現代資本主義の「国家資本主義化」という世界の趨勢に日本は伍していけるか

花田吉隆 元防衛大学校教授

拡大G20サミットで行われたデジタル経済に関する首脳特別イベントであいさつする安倍晋三首相(中央)。左はトランプ米大統領、右は中国の習近平国家主席=2019年6月28日、大阪市住之江区、代表撮影

 資本主義は個人の自由競争を基本とする。アダム・スミスは、自由競争が行われる中、「神の見えざる手」が市場利益を最大にする、と説いた。この古典的資本主義は、その後、産業が発展するにつれそのまま維持することは難しくなり、国家による様々な手直しが行われてきたが、ファシズムや共産主義の挑戦をはねのけた現代の資本主義が、基本的に自由競争を存立の基盤とすることは変わりない。だから、これを阻害する独占を禁止し、プレーヤーが同等の条件で自由に競争できるよう制度の整備を図ってきた。

 その現代の資本主義は、今、新たな挑戦を前に変貌を余儀なくされつつある。他でもない中国の登場だ。

 個人が自由に競争するのでなく、国家が個人に「肩入れ」して試合に送り出す。試合をするプレーヤーの同等の条件を旨とした資本主義が、試合開始の時点からプレーヤーが同等でない。そういう中国に伍していくにはどうすればいいか。こちらも国家が「肩入れ」するしかあるまい。かくて、現代の資本主義は「国家資本主義化」していく。かつて、国家丸抱えの産業政策が「日本株式会社」と揶揄された日本だが、今や、「欧州株式会社」「米国株式会社」が大手を振るう。国家丸抱えは日本の得意分野だ、日本は存分に力を発揮できる、と思いきや、ことはそう甘くはない。どうして「日本株式会社」は機能しなくなったのか。

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筆者

花田吉隆

花田吉隆(はなだ・よしたか) 元防衛大学校教授

1953年生まれ。在スイス大使館公使、在フランクフルト総領事、在東ティモール特命全権大使、防衛大学校教授等を経て、現在、早稲田大学非常勤講師。著書に「東ティモールの成功と国造りの課題」(創成社)「スイスが問う明日の日本」(刀水書房)等。

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