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山本太郎氏「消費税ゼロ」への高橋洋一氏の批判に徹底反論!(下)

山本氏の活動でようやく芽生えかけた消費税を本気で論じようという機運に水を差すな

斎藤貴男 ジャーナリスト

透けて見える中小零細事業に対する蔑視

 ただ、だからといって“納税の義務を無視”はないだろう。誰しも税金に殺されたくはない。非合法でない限り、生活防衛としての節税はもちろん、憲法違反さえ疑われる不公平・不公正な税制に反対するのも、当然すぎるほど当然の、納税者の権利ではないか。

 そもそも高橋氏の論考には、独善的な論理展開が多すぎる。

 2023年度から開始される消費税のインボイス方式(適格請求書保存方式)を絶対視したり、「法人実在説」(法人は株主とは別個の存在として独自の課税対象になり得るとする)と「法人擬制説」(法人は株主の集合体で、その株主は所得税を納めているのだから、法人税は二重課税に当たるとする)を比較して、〈経済理論では実はほぼ決着がついている〉と後者に軍配を上げ、したがって法人税増税などとんでもない、そもそも法人税自体があってはならない税制であるかのように示唆したり。消費税増税批判を嫌悪する人々に共通する、中小零細事業に対する蔑視が透けて見える。

 インボイスが始まれば、これを発行しない年商1千万円以下の非課税事業者はそのことを取引先に告知する義務を負わされるのと同じことだ。とすると、納税義務のある取引先は、「ああ、この事業者から仕入れると、仕入れ税額控除を受けられないのだから、その分だけ余計に消費税を納めさせられることになるのだな」と判断し(事実その通りである)、その非課税事業者は必然的に取引の輪から排除されていく。それで潰されるのが嫌なら、年商1千万円以下でも消費税を納税しなければならない課税事業者になりたいと自ら当局に申し出るしかない。廃業・倒産の促進策と言って差し支えないのである。

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筆者

斎藤貴男

斎藤貴男(さいとう・たかお) ジャーナリスト

1958年、東京生まれ。新聞・雑誌記者をへてフリージャーナリスト。著書に『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫)、『ちゃんとわかる消費税』(河出文庫)、『戦争経済大国』(河出書房新社)、『日本が壊れていく――幼稚な政治、ウソまみれの国』(ちくま新書)、『「東京電力」研究──排除の系譜』(角川文庫、第3回「いける本大賞」受賞)、『戦争のできる国へ──安倍政権の正体』(朝日新書)など多数。

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